2013年2月15日金曜日

手抜き日記 ~ビジャリカ登山~

温泉の翌日はビジャリカ登山。
心配された風邪も引くことなく、雲ひとつない快晴のもとビジャリカ山に登ってきた。
プコンに来る時の道でビジャリカ山を遠目に見てこの登山を決めたわけだが
実際はなんとも簡単に登れてしまうお気軽登山だった。

まかそれは綺麗な円錐形をしていることからも予想はついていたのだが。

といっても2800mの高さから見下ろす湖水地方の眺望は素晴らしく、
向こうにはアルゼンチンの入り口ラニン山が見えた。
ラニン山は標高も富士山と全く同じ3776mで形も瓜二つだ。
活火山であるビジャリカ山頂のお釜部分には、煙がたちなかなかの迫力。

登りは全くつまらない行程だったが、帰り道はこの綺麗な円錐型の形が威力を発揮。
プラスチックのスライドボードをお尻に敷いて尻滑りの格好で登山口までスライドダウンした。
これがなかなか楽しくて行きが5時間かかったのに、帰りは1時間ちょっとで下りてきた。

だが、快晴すぎて雪が溶け出し、麓に下りて来る頃にはびしょびしょに。
今日もまた風邪を引きそうになりつつ帰途についた。
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2013年2月13日水曜日

チリのアグアスカリエンテス

プコンにはビジャリカ火山とビジャリカ湖をはじめとした、数多くの山と湖に囲まれた場所で
登山やラフティング、トレッキングに乗馬とあらゆる種類のアウトドアアクティビティを行うことが出来る
チリ最大のアウトドアリゾートである。
湖水地方とも呼ばれるこのエリアはチリ人自慢の観光地。
街のメインストリートにはシャレー風のホテルやストアが並びいかにもツーリスティック。
同じチリにあってサンティアゴやアタカマともまるで違う雰囲気の街だった。

そして、あちこちに出された看板からはPATAGONIAの文字が。
そう、もうここは南位40°以南のパタゴニアに地方なのだ。
そうはいってもまだ荒涼とした地平の果てまで続く大地も
気を抜いたらすべてをかっさらっていきそうな強風もここには無い。
一口にパタゴニアといっても南北で2000km近い広大な土地。
このあたりはむしろ、西風が運ぶ雲がアンデスにぶつかり雨がよく降る豊かな土壌が広がっている。
だからせっかく憧れの地に入ったといってもまだ実感は無い。

それでもこのパタゴニアを満喫すべく、まずは火山の恵み温泉へと出かけた。
ボリビア以来の温泉だったのでかなり楽しみ。
温泉は近郊にいくつかあるのだが、色々情報を集めて、
もっとも湯温が高いとされる温泉の夜風呂ツアーなるものがあったのでそれを申し込んだ。
夜、ツアーバスに揺られ1時間。
着いた温泉は、海外にしてはなかなか風情のある岩作りの温泉でいくつか湯船が隣を流れる沢に並行してあった。
暖色系の柔らかな灯りが一層雰囲気を盛り上げる。

ほうほう、これは、なかなかどうして…

一目見てかなり期待が高まったのだが、同時に違和感にも気づいた。

あれ?湯気が…出てない…??

既に闇夜もだいぶ深まり、寒さもすぐそこまでやってきていた。
にも関わらず、湯面をみてみると、湯気がほとんど立っていないのだ。

んな、ばかな!

おそるおそる手をつけてみる。

ぬるっ!
ってゆーか冷たくね?

湯温はお世辞にも温かいとは言えず、お世辞を言ったとしてもぬるいぐらい。
つまり冷たかった。

それでも期待していた温泉に裏切られた事実を認めたくない一心で
外が寒いだけで、この湯温はなんとか入れる温かさなんじゃないか?と必死に思い込むことに。

いくつかあった温泉の中で、一番マシそうな湯船に目星をつけて、意を決して入泉。
入る分には入れたが、肩が出ると即座に風邪を引くレベルの温度。
かといってずっと入っていれば確実に体温は奪われていく。

しかも辺りは温泉と着替えの小屋しかない何もない所。
温泉ツアーなんてのは名ばかりで、ここまで連れてこられた後は、2時間半後にまたここ集合ねっていう放置プレイ。
あとの2時間ここで過ごさなければならないのだ。

なんだ、この罰ゲームは。

なんて思うも、なんとかこの状況を打破せねばならない。
ちなみにどのくらい寒いかと言うと、冬でもTシャツ一枚のあの白人たちもあがるときは肩をすすくめて震えるレベル。
太陽があれば、だいぶ違ったろうが、それにしても寒すぎる。。。

人がたくさん固まっているところが湯温高いところかなと思って行ってみる。
心なしか温かい気がしたが、気のせいのような気もする。

やむを得ず動きまわって体温を上げる。
疲れて5分で終了。

うむ、どうあがいても2時間半後には風邪を引いているだろう。
しかも明日は早朝からビジャリカ登山だってのに。

「ねぇ、ここ!ここ温かいよ!!」

向こうから声が聞こえる。
この温泉にはサンティアゴやイースター島で知り合った友人たちと5人で行っていたのだが、
みな温かい所を探すのに必死だ。

あちこちでそんな声が聞こえ、そっちの方に行ってみると全然温かくない。。。

だがしばらくして、そのうち誰かが、ついに源泉を探し当てた。
源泉は岩が積み上げられた壁のすき間から出ていた。
そこに手を入れてみると、たしかにここだけは確実に温かい。

ここかー!!

僕らは全員そこにおしくら饅頭のように集結して、岩のすき間に手を突っ込んだ。
そして手の先を上手くつかって源泉が自分のほうに流れるように掻きだした。

あったけ~。
温かいことがこんなにもありがたい事か。
これで今日も生き長らえることができそうだ。

僕らはその岩にそれぞれ両手を突っ込み、傍からみるとまるで、岩を抱きしめているかのようなポーズで2時間を過ごした。
それをこれが、ジャパニーズスタイルの温泉の入り方なのかと、ドン引きの顔で眺める白人たち。

いや、そういうわけじゃないんだけど、背に腹は変えられないんだ。

命がけの月見風呂ツアーお値段10000ペソ(20$)なり。

2013年2月11日月曜日

湖水地方の火山

そうそうこれだよ、こーゆうの!
そんな言葉が思わず口に出てしまういい道はいつも突然現れる。

6日間続いた高速生活にお別れをし、テムコという街で2泊した。
そのテムコの先から下道に入った。

下道といっても交通車線が少なくなっただけで以前として交通量は多い。
路肩がない分危険度は上がったかも。
この頃になるとそこそこの傾斜のアップダウンが多く出現するようになってきた。
割と周りが平地に見えるようなとこにも関わらず。

チリは道路作りが上手くないという話を聞いたことがあった。
コペックライフを送っていたときは、特にそんなことを感じることもなかったのだが、
ここにきてその話を思い出さずにはいられない上り下りが続く。

大地の傾斜に忠実に沿って、ただアスファルトを張りました然な道路は自転車に優しくない。
けれど、これまでの道がずっと退屈だっただけに、このアップダウンは僕にとって新鮮でいくらか楽しめて走れていたと思う。
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背の高い林の中の長めの下り坂、その先で道は右に大きくカーブした。
ここで森がひらけた場所に出て、突然視線の先にビジャリカ山が飛び込んできた。
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うぉぉ!っと思わず声があがる。
ビジャリカ山は湖水地方と呼ばれるこのあたりのシンボル的な存在で、
富士山にも似た雪を抱えた綺麗な円錐形の山容がかっこいい。
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道はほとんどいつも正面にビジャリカ山を目がけて延びている。
その間、僕のテンションは上がりっぱなしで早くあの山に近づきたいという一心で自転車を漕いだ。
プコンの街ではこの火山への登山ツアーもあると聞いていた。
今朝まで、プコンに着いたらまずはのんびりしようと思っていたのに、
この頃にはもう早くこの山に登りたい!と気持ちが高揚していた。

程なくして、ビジャリカの街に到着。
街の規模はプコンよりこちらのほうが大きい。
ビジャリカ湖から望むビジャリカ山が絵になる。
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ちなみにビジャリカは村の意味のVILLAと豊富を意味するRICAとを合わせた言葉だと思うのだが
うんうん、まさにその通りと納得する景色の映えだった。
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ここからプコンまでは30kmもないほどの距離。
湖岸沿いを走る道路はいよいよアップダウンがきつくなってきたのだが、
火山を見ながら走っているとあっという間にプコンへと到着してしまった。
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2013年2月9日土曜日

コペックはじめました

さて、リマ経由でサンティアゴに戻った僕は、再びゆっくりと過ごした。
ようやくセントロにも散歩に出かけたし、
宿に泊まっていた人に案内してあげるという名目で結局モールスポーツにも3回も行った 笑
イースター島で窮屈に感じた時間も、近くに愛車がいるだけで安心できる。
これで飽きたらいつでも出発できる。そういう意味で自転車旅行は限りなく気楽だと改めて思う。

そうして数日後、僕はパタゴニアに向けて走りだした。
パタゴニアとは南位40°付近を流れるコロラド川以南のエリアを差す総称。
チリ側を南下する僕はチリ側パタゴニア北部の中心地プコンを目指した。
道中約850kmほど街は続くがこれといって観光の目玉になるようなところはなく、
景色も代わり映えしない。
だから欧州のサイクリストはこの区間バスで飛ばす人も多い。
自走にこだわる僕は、ひたすら高速道路を使って南下。
これがもう苦行だった。
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景色変わんね。

毎日毎日120km以上、多い時は150km以上走ってるのにあまり代わり映えのしない単調な景色が続く。
高速移動を目的につくられているのが高速道路だから、なるべく平坦な真っ直ぐな道を作るのは当然か。

ちょっと森が増えてきたか…?
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で、この辺になると、花粉がすごい。
僕はスギ花粉は大丈夫なんだけど、イネ科の花粉に弱い。
だから日本でも花粉のピークが過ぎた5月頃から一人季節外れの花粉症に苦しんでいた。
どうやらこのあたりもイネ科の植物が多い模様で、涙を流しながらのランとなった。

そして道中、唯一の見所と言ってもいいラハの滝。
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通り道なのでついでに寄っただけだが、こいつは案外よかった。
ゴゴゴっと滝が地面に叩きつける音もなかなか迫力もあったし。この暑い中見る滝は見た目にも涼しい。
聞いた話だと、雨季にはもっと水流が増えて大迫力なんだとか。
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無料で立ち寄れるところだし、穴場スポットです。
お近くをお通りの際はゼヒ。
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そうして今が何日目か記憶も曖昧になるぐらい高速道路をひた走った。
一切高速道路から下りていない。
では道中、どうしていたかと言うと。
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高速道に点在しているガソリンスタンドでキャンプをしていた。
大体、大きな街の入口と出口に売店と軽食を兼ねたガソリンスタンドがあってそこで夜を明かした。
スタンドの店員も慣れた様子で、あそこにテント張っていいよと即答である。
もともとトラックなんかの長距離ドライバーのための休憩スポットでもあるので、
車のエンジン音さえ気にならなければ、かなり快適に過ごせる。

チリにはコペック、テルペル、ペトロブラスというガソリンスタンドが大手のようで
順に業界シェアと設備も良い(個人的な体感です)
だから面白いもので特の大きな街の出入り口はがっちり最大手のコペックが出店しているし、
2番手のテルペル、ペトロブラスは中規模の街や、街も無いようなところにお店があった。
コペックに立ち向かうには、こうして微妙な場所で立ち向かっていくしかないらしい。
最大手コペックの実力は折り紙付きで、Wi-Fiはもちろん、なんとホットシャワーまであった。
ホットシャワーは1$かかるんだけど、ほとんどタダみたいなもの。

s-DSC00807 (83)s-DSC00807 (84)毎日のスケジュールとして
6:00 起床&朝食
7:30 出発
17:00走行終了 テントの許可を取る
21:00夕食&店内で寛ぐ
22:00就寝
といったサイクルで過ごしていた。
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それにコペックはケータイでコペックアプリなるものを出していて、設備を調べれので
それを使って次のシャワー設備のあるコペックまで毎日走っていた。
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もちろんコペックまで辿りつけず、2番手のテルペルで一晩過ごしたこともあったが、
シャワーはないにせよネットも使えたし、水にだって困らなかった。
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切り詰めればほとんどお金を使わず、毎日移動することだって可能だ。
僕はキャンプのお礼に一応何かしらの食事やお菓子を買ったりしていたけど。
それでも生活費は一日1000円以下。
バス代宿代が高いといわれるチリ・アルゼンチンでおいて
自転車移動の価値を見いだせた気がする 笑
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といっても、高速道路生活は本当に退屈でこれ以外に楽しみがないくらい。
楽しみがない中での走行ほど精神的にきつい走行はないものだ。