2013年7月16日火曜日

アラブ世界からの脱出

モロッコからヨーロッパに渡る出口は2つあって一つはタンジェという古くからの港町、
もうひとつはスペイン領の飛び地であるセウタ。
どちらもシャウエンから1日で行ける距離なのだが、よくよく調べてみるとタンジェの場合、
船の発着する港が街から40kmほど離れているということだった。
このあたりまで来ると、そこかしこにヨーロッパの薫りが漂っていて、
タンジェはアフリカにいながらヨーロッパの雰囲気が感じられる所と言われていて、
反対にヨーロッパ大陸の玄関口スペインのアルヘシラスはヨーロッパにいながらにして
モロッコを感じられるところだと聞いた。
僕の経験上、だいたいこういうところはどっちも中途半端な街になるだろうから、
さくっとヨーロッパに入ろうと最短距離のセウタを目指した。

シャウエンであと数日休養するというようこ&ひろさんとはここでお別れ。
でもこの先もルート的に重なりそうだったから、またすぐ会えるでしょう。
「次はビールが飲める国で生ハムだね~」と見送られて宿を出た。
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苦労して上ってたシャウエンからは一気の下りで幹線へ。
シャウエンが期待はずれの街だったら、あの登り恨んだだろうな。
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幹線へ下りたものの再びの登りで峠越え。
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難なく越えて緩い下りに入る。
途中、自転車のメカトラブルを起こしてしまったモロッコ人がいて、
見るに見かねて助けてあげたら、うちに泊まってってよと招待されたが、
まだ時刻は11時だったので、後悔を混じえつつ断って進む。

山の裾野の丘にテトゥアンの白い街が見えた。
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遠くからでも感じる洗練された空気。
実際、街に入るとそこはもうこれまでのアラブ世界とは別世界。
ほとんどヨーロッパのリゾートのようだった。
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そもそも白い街というのはスペインのアンダルシア文化の影響を受けているわけで、
そういう意味では冒頭のモロッコにいながらにしてヨーロッパを感じれる場所という地域は
既にここから始まっているようだった。

モロッコディルハムの持ち合わせも少ないので、この街はスルー。
残り少ない残金でモロッコジュースのハワイを購入。散々お世話になりました。
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テトゥアンからセウタへ抜ける道路は綺麗に整備され路肩広々。
完全にここはヨーロッパだな。
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やがて右手に地中海が見えた。
地中海が見えたからといって、ことモロッコに関して言えば完全縦断してきたわけでもないので
特別な感傷に浸るわけでもなく淡々と進む。
むしろ海岸特有の強い横風に悩まされ、ちょっとイラッとした。

そして正面に突き出た半島を捉えた。セウタだ。
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モロッコ側セウタは建物こそ現代的なものにかわったものの物乞いがいたり、
僕を騙してお金を巻き上げようという輩がいたりと相変わらずのモロッコだった。
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モロッコ最後のミナレット。
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海岸線を走ってイミグレへ。
イミグレは頑強とまではいかないがしっかりとフェンスが張ってあって、それなりに物々しい雰囲気。
ここまでしっかりした国境ってアメリカ~メキシコ以来かな。
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ツーリストカードを書いてあげるよという胡散臭い輩をすり抜け、モロッコ出国。
スペインイミグレも簡単な世間話でスタンプもらって…
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スペイン入国!!
チリ・アルゼンチン・ブラジルなんかも十分先進国だったけれど、
本当に先進国と呼ばれる国に帰って参りました。
五体満足で本当によかった。

とはいえ、まだアフリカ大陸なのでここからヨーロッパ本土を目指す。
ユーロを引き出すために、セウタのセントロに少しだけ寄ったのだけれど、そこは完全に別世界。
これぞ先進国の街並みだ。
アメリカからメキシコに入るときは怖くて仕方なかったけれど、今回はお気楽でいいっすな。
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無事ユーロを入手して港へ。
チケットも12ユーロと思ったほど高くなかったので安心。

意気揚々とヨーロッパへ渡るフェリーへ乗り込んだ。
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セウタから本土のアルヘシラスまでは片道1時間30分の距離。
僅かこれだけの乗船時間にも関わらず船内のシートはアームレストが付いたしっかりしたソファータイプで
船内にはレストランやゲームコーナーまでついていて目を疑うばかりの豪華な作りだった。
これまでもフェリーはいくつか乗ってきたけど、間違いなく設備の充実度は一番。
そして乗船時間の短さも一番 笑
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フェリーが出港し、眠りに落ちかけた頃船内アナウンスが流れた。
ガラスの向こうを見るとジブラルタルの街が見えた。
DSCN3571_Rジブラルタルはイベリア半島のイギリス領の街。
こちらはモロッコ内のスペイン領から出港してきたので、なんだか不思議な気持ちで窓の外を眺めた。

間もなく船はアルヘシラスに到着した。
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ヨーロッパ初上陸。
地方都市のくせに都会的な街並みに恐れおののきながら、港に程近いアラブ人エリアに
安いホテルを見つけた。
安いといっても15ユーロほど。
モロッコだったら高級ホテルに入る部類だ。これからのヨーロッパに少し不安が走る。
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サマータイムのこの時期、モロッコからスペインに入ると時差が2時間でる。
同じような位置関係なのに、2時間分一日を損した気持ちで、さくっとシャワーを浴び街へ出た。

スペイン一発目はバルでしょうということで
人が集まっているバルを見つけてビールと生ハムを注文。
アルコールも豚肉も気兼ねなく注文できるなんて、スペイン素晴らしい。
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いざ、実食。
うま。
付け合せのオリーブも含めて一瞬で平らげてしまった。

スペイン期待できそうです。

2013年7月13日土曜日

青・蒼・碧のシャウエン

モロッコも少しずつ終わりが見え始め、取り巻く周囲の景観も驚くほど青々したものに変わり、
オレンジの生い茂る木々の畑をかいくぐって、僕らは近づくヨーロッパに嬉しさ半分、寂しさ半分
といった気持ちで自転車を走らせていた。
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そんなある日、幹線から逸れること約8km、それもかなり傾斜のきつい山岳路へと寄り道をした。
切り立つように聳える山に抱かれた街の名前はシャウエン。
遠くから街を眺めると何の変哲もない、むしろモロッコにおいては都会的にもうつる街。
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けれどここは個性的な街の多いモロッコにおいても、ひときわ異彩の放つ場所であった。

新市街を抜けて、小さな門をくぐり旧市街へ入るとそこは青の街だった。
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狭い路地と階段、坂道が絶え間なく続く空間に商店が並ぶ。
旧市街の奥にある安宿に投宿し、この街で数日を過ごした。
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とりわけこの街が映えるのは朝だ。
朝の旧市街は日中、モロッコの強烈な日差しによって遮られてしまう
街の青が最も深く映えた。
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人気もまばらで、ともすれば無遊空間のようなこの世ではない場所を歩いているような気がしてくる。
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色が伝達する肌感覚というものは不思議なもので、気温計には現れないほんの少し
ひんやりとした空気があたりに流れた。
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一口に青といっても、手作り感満載の様々な色味の青が壁を彩っているのが良かった。
垂れたペンキが路地に流れていたり、雑な濃淡だったり、滲みがかった壁の塗り方が
モロッコ人だな、というのを感じさせて、なんだか人間味を感じる。
この空間が決して作られたものではなく、今を生きる人々の生活感が滲んでいるのが
そのアオから感じ取れたのが、よかったのかもしれない。
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太陽が昇ってだんだんと街の青が和らぐころ、街は活気を取り戻していく。
他の街と変わらぬ土産売り、アラビックで書かれたコーラの瓶、レストランから香る香辛料…
街並みを除けば普段と変わらないモロッコだ。
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でも朝だけは特別。
朝のシャウエンは異国モロッコにおいてさらに異国情緒を感じる不思議な場所。
オススメです。

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2013年7月11日木曜日

Web連載【自転車世界1周FOUND紀行】始まりました。

さて、当ブログの更新もままならない状況ではありますが、
タイトル通り、無印良品のHP上でWeb連載が始まりました。

 http://www.muji.net/lab/blog/bicycle/

旅に出る前に働いていた会社で、辞めた今もこうして関わりがもてることは
本当に有り難いことなだなぁと思っています。

自転車旅を通じて見つけた世界のかんじいい暮らしを紹介していくものになっています。

こちらはよほどのことがない限り、毎週水曜日10時頃に更新していくようになりますので
当ブログと合わせてお楽しみ頂ければ幸いです。

また、単発ですが無印良品のキャンプ場のHPにもコラム掲載させていただきました。
こちらもよければ是非ご覧くださいませ。

 http://www.muji.net/camp/contents/sotoasobi/menu113.html

どちらもブログ右側のアイコンをクリックすることでもHPに飛ぶことができます。

来月からはもう一本連載を開始する予定。

ますます、ブログ大丈夫?と思われるかもしれませんが、
何のフィルターもかかっていない素の旅をお伝えしていく場所はこのブログと
思っていますので気を長くしてお待ちくださいませ。

そして最近の手抜き更新申し訳ないです。

7月11日フランス グルノーブルにて 
伊藤 篤史

アラブの国のローマの遺跡

かつて地中海沿岸部を中心に栄華を築いたローマ帝国。
帝国の支配の及ぶ最西端に位置するヴォルビリス遺跡はメクネスから北へ30km。
イスラム教イドリス朝がひらかれた聖地ムーレイ・イドリスの街から見下ろせる
盆地にポツリと存在している。

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