グアナファト先のルートは山道が続くので20kmほど戻って
比較的平坦な幹線道路に復帰しメキシコシティを目指すつもりだった。
距離にしたらどちらも変わらないのでわざわざ山道を選ぶ理由はなかった。
…ハズだった。
グアナファトを出発する直前にたまたまメキシコ独立戦争について調べていたら
この山道の先にあるドロレス・イダルゴが独立運動発祥の地だということを知った。
運動を指揮したミゲル・イダルゴ神父がこの街で演説し、鳴らした教会の鐘が
口火となって独立戦争が開始された、いわば現代メキシコ始まりの地。
メキシコ独立戦争の触りしかかじっていないが、なんだかとてもロマンを感じる。
ロマンがあれば山道も登れるはずだ!と進路変更し、山道コースでドロレス・イダルゴへ向かうことにした。
さらば、グアナファト!
トンネルを抜けて街に入ったので街を出るときも幾つかのトンネルを越える。
石畳の道はしばらく続き、それに上り坂も加わり走りづらいことこの上なし。
早くもロマンはポッキリ折れそうだ。
上る。
上る。
上るー!!
きっつーい!ぐんぐん上ってがあんなに小さく見える。
気づくとこの旅最高標高を記録。
雲がだいぶ近い。
とゆーか、グアナファトの街中にあんなボコボコトンネル掘る熱意と技術があるんなら、この山道もトンネル掘ってくれよ…
と恨み節を唱えながら上る。
こんなとこ越えてきました。
ようやく平地に出た。
ドロレス・イダルゴが見えた!
小さい街だと思ったが案外賑わっていて、ストリートには人と車がごった返していた。
街中は相変わらずの石畳で走りづらさ満点だったが、いい加減慣れてきた。
セントロは幹線を外れたところにあり、ソカロの中心にはイダルゴ神父の像が立っていた。
ソカロを取り囲むように食堂屋、雑貨屋が連なっていて、歴史的には重要な場所なのに生活感があるところがこれまたいい感じ。
イダルゴ神父の背後には教会が立ち、つんと伸びる二つの双塔からは鐘が見えた。
あれがイダルゴの鐘だろうか。
サカテカスやグアナファトでカテドラルと比べると、随分こじんまりしていて迫力には欠けるが
それでも、植民支配からの解放の合図になった鐘が200年たった今もこうして現役でいるのを見ると
少しだけ自分も当時の時代にタイムスリップした気分になる。
これで鐘がタイミングよく鳴ったら素敵だな。
そう思って近くのお店でピザとチキンを買ってソカロのベンチに座って食べながら鐘が鳴らないか待ってみた。
しかし1時間ほど待ったものの鐘は鳴らなかった。
夕刻になれば恐らく鐘は鳴るのだろうが昨日、グアナファトを雨で延泊したためシティまでの予備日がもう無くなっていた。
今日はここから先のサンミゲル・アジェンデまで行かなければならない。
名残惜しいが行かねば。
鐘の音は聞けなかったが、メキシコの歴史にロマンを偲ぶにはいいところだ。
来れて良かった。
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