2011年4月26日火曜日

あの時の後悔

・マンハッタンを抜けてニューヨーク州を走っていた僕は連日の暑さと予想を超える自転車の重さに辟易していた。少しでも快適に走るため、真っ先に削られた荷物が必要以上に持ってきた工具だった。『捨てよう』と思った瞬間、次のガソリンスタンドのゴミ箱まで持っていく余裕は消え、重厚なモンキーレンチはロードサイドの森の中へ放り込まれた。
 

・大陸分水嶺を越えロッキー山脈から流れる水が太平洋に注ぐようになると、後は乾燥した砂漠地帯を越えカリフォルニアの温暖な気候が目の前に待つばかりだった。季節も晩夏にあたり、低地に下りたことで寒さの心配をする必要がなくなった。そこで、僕を待ち受けていたのは想像以上に苛烈なモハベ砂漠の気候だった。遮るもののない日差しと暑さに体力を奪われた僕は、これから先の寒さの心配をすることがなくなったことをいいことに量販店で買った安物のフリースを道端で捨てた。


上の二つはアメリカを自転車で走った際に自分が行った愚かな行為です。
どちらも自分の余裕のなさからしてしまったことだと思う。
本当に苦しかったけれど、生死を分ける状況ではなかったし、仮にそのような状況であれば工具やフリースとともに重たく嵩張るテントやシュラフも捨てたはず。
真っ先にこれらを捨てたのはおそらく、今後の利用価値とともに金銭的な価値も低く、入手の難易度も容易であったからだろう。
自身の快適さを求めるが故に、その地に必要以上のインパクトを与えてしまったことはアメリカを横断した後、後悔として今も残っている。
今、捨てられた工具とフリースを見つけ出すことはおそらく不可能と思われるし、かといってその分ほかのごみを拾うことで許されることでもない。
ただ、今度の旅はこんな愚かなことをすることのないよう、心に余裕をもって楽しんで走りたいと思う。

2011年4月13日水曜日

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そろそろ重い腰をあげてブログを更新していかねば。
ここから旅の記録をしていきます。