2012年10月27日土曜日

6000m越えの準備

ラパス市街にはアウトドアショップや土産物屋、ツアー会社が多数ひしめいている。
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というのも北に行けばアマゾンの支流のあるルレナバケ、南に行けばウユニ塩湖、
東に行けば熱帯のボリビア第2の都市サンタクルスとボリビアのあらゆる観光の拠点になっているからだ。
もちろん西に行けば僕の通ってきたチチカカ湖もある。
そしてここラパスは標高3300mを超える高空都市。
周囲にはボリビア最高峰のサハマ山やイリマニ山といった6,000m級の山々がずらり。
ラパス自体がアンデス登山の拠点となっている。

僕はラパス北北西に位置する6,088mのワイナポトシに登ろうと狙いを定めた。
これまでの最高地はエクアドルで登ったコトパクシの5897m。
約5900mまで登れたのでせっかくなら6000m越えをという単純な理由だ。

おそらく登れる。

とは思うが油断は出来ない。
出来る準備はしっかりやっておこうということで、ラパス市内をウロウロと物色して回った。

本当にアウトドアショップ多し。
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このあたりは仕入れ問屋が一緒なのかどこも似たような品揃えばかり。
そして偽物ばかりだった。
NORTH FACEなんかはほぼパチモノ。
ただ、靴なんかは本物に見間違うくらい良く出来ている。
しかし値段が通常の3分の1くらいだったりと、どうも信用できない。

そして、GORE-TEXやWINDSTOPERのタグが何にでもついている。
ウェアはもちろん時にはカバンや小物にまで…

怪しげな中華バーナーもあった。
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これは本物か…
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もちろん、本物の商品もあるしチリやアルゼンチンブランドと思われるものもあって
見ている分にはかなり楽しい。
暇があれば色んな店を見て歩いた。

僕はエクアドル、ペルーでも見かけたTattooのお店で手袋を購入。
唯一ここだけは信頼出来る。

そうそう、ワイナポトシの申し込みも滞り無く出来た。
ガイド込2泊3日で約10000円。
1泊2日のプランもあってそっちのほうが安く、自分的には一気に行ってきたいところ。
ただ今回は雪山登山が初めての2人もいたので大事をとって2泊で行く事に。

で再びけんちゃん。
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韓国料理も。
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カフェでも。
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ラパスは街並みはともかく、飯は国際色豊かで色んなものが安く食べれていい。
もちろん現地飯に比べれば高いが、それでもホテル代が安いので一日のトータルコストで見れば全然安い。

ワイナ・ポトシ前日には思い立って、念のための高度順応ということで近郊のチャカルタヤ山へ。
標高5400mのこの山は世界最高所のスキー場があるところで知られ、5300mまでは車で行けるお手軽ハイク。
5000m級がお手軽とはボリビア恐るべしだ。
普通はツアーで安価に行けるそうだが、突然行く事を決めたので結局タクシーで行った。
捕まえたタクシーの運転手の言い値は3500円。
しょうがないので払ったが、このタクシーの運転手、行くと決まった瞬間眼の色が変わって
タイヤ屋で予備タイヤ購入。空気圧チェック、ガソリンの入れなおしとともかく気合の入りようが凄い。
まぁそうだろう。
ボリビアで言えば大金のこの金額が突然舞い降りてきたわけだから。
日本で言えば、東京で捕まえたタクシーに富士山まで行ってっと言うようなものだろう。

だが実際このチャカルタヤへの道のりは凄かった。
崖の上のエル・アルトを通過し、ダートの埃っぽい山道を過ぎると急傾斜のか細い道をぐいぐいとタクシーは進む。
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確かにパンクしかねないような場所だった。
途中左手にワイナポトシが見える。
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尖った鋭鋒がかっこいい。
あの切っ先に数日後立つことをイメージしただけでゾクゾクした。


そして窓から見える景色もものすごいことになってきた。
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ラパスから数十分。
あの喧騒はどこへやら。
だが遠くに目をやると確かにラパスはそこにあった。
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頂上付近の駐車場でドライバーに待っててもらい山頂へ。
たかだか100mほどのアップだが、すでに5000mを越える高度。
少し歩くと息が切れる。

このあたり、たしかドライバーの話ではここに登ってくる途中、昔は鉱山があったと言っていた。
そのせいか踏みしめる石たちもカラ、カラと甲高い金属特有の音をしていた。
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そういえば途中に見えた湖も岩のミネラルのせいか色を帯びていた。

20分で登頂!と思ったら擬似ピークで向こうにもうひとつのピークが。
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もう一丁。
もう1つのピークからはワイナポトシ方面に続く尾根道が続いている。
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ここからの眺めは抜群に良く、ワイナポトシを含むレアル山脈、チチカカ湖、ラパス市街を一度に望むことが出来た。
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しかし、風が強い。。
ここは明日への気合注入を含めて!
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(クリックで拡大します)
やっちゃいました。
コトパクシの時もやったし、まぁこれは一種のおまじないみたいなもんかな。
天気がよさそうに見えますがめちゃくちゃ寒いです。

チャカルタヤ山。
タクシーやツアーで簡単に行けるところですが、眺めも最高でおすすめです。
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2012年10月26日金曜日

南米一の称号

猛烈な下り坂を駆け、ラパス旧市街に降り立つとそこは何だかさみしげな雰囲気。
今日が日曜日だからか?通りの商店街は軒並みシャッターを下ろし、行き交う人もまばら。
活気がまるで感じられず不気味だった。

目星をつけていた安宿にも従業員がいない。
もとよりここは泥棒宿としても有名。
ワイナポトシ登山で数日自転車を預けることも考えると、ここでは少し心配。

メインストリートの一つイリャンプー通りに面したホテルを片っ端からあたって
どうにか信頼のおけそうな安宿を見つける。

荷物を預けた後、さっそく街に繰り出した。
目的は旅行者の間で絶大な支持を得る日本食レストランけんちゃんだ。

ここで先にラパスに到着していたサヌキくんとも合流。
3人で期待をして、ラパスのメインストリートを駆け下りる。

ところで、ラパスという街はすり鉢状の盆地に発達した都市で、前回も書いたが下層に行けばいくほど
富裕層のエリアになっていて、今の旧市街のセントロもまだ下りの途中。
メインストリートに沿って道は下って行き左右に曲がった途端にきつい傾斜の登り坂という面白い作りである。

けんちゃんに向かったはいいが、帰り面倒くさいなぁ。。。

と思いつつも到着。
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うおぉと店構えからしてテンションがあがる。
店内も広々。
奥に行くとなんと座敷があった。
ここは迷わず座敷席をチョイス。
さらにマンガ有り、Wi-Fi有りと至れりつくせりの設備。

手渡されたメニューを見てさらにボルテージは上がる。
トンカツに生姜焼き、スタミナラーメンに冷やし中華、カツ丼…
一体どれを頼んだらいいんだ?!

これはいっそのことまとめて全部…
いやいや落ち着け。

僕はコスタリカ首都サン・ホセにある日本料理店でもはやる気持ちを抑えきれず食べたいものを頼みすぎて
食いきれなくなった経験があった。
落ち着け、ラパスにはしばらく滞在するから、また来れる。
そう自分に言い聞かせる。

同じ轍は二度は踏まないようにと、深呼吸をし改めてメニューを眺めた。
大げさなようだがそれだけ、心を惑わす誘惑がそこには確かにあった。

そして、選んだ答えはチチカカ湖で採れたトゥルーチャを使ったトゥルーチャちらし。
ここの看板メニューの一つだ。
それでも約700円と日本じゃ考えられない値段。
サヌキくんはぺぺレイ蒲焼き、モトミくんはカツ丼とそれぞれ思い思いの品を頼む。

料理が出てくるまでの間、ネットやマンガでそれぞれ時間を過ごす。
ふと入り口に情報ノートがぶら下がってるのを見つけた。

ノートを開くと、1ページ目にはここのオーナーである鈴木さんのメッセージがあった。
ノートには“ここで日本食を食べてホッとしてまた元気に旅を続けてください”と書いてあった。

海外の日本人の経営する日本食レストランというのはどちらかというと、味はいいが価格もそこそこ。
現地の駐在員向けというところが多い。
僕ら長期旅行者はその店に行って料理を堪能はするもののどちらかと言うと少し肩身の狭い思いをすることも確か。
ここ、けんちゃんのオーナーからのメッセージからはオーナーの人柄が見えるだけじゃなく
ここが旅行者に絶大に支持される理由のようなものが見えた気がする。

しばらくすると料理とのご対面。
まず先にサヌキくんの蒲焼きから、次いでモトミくんのカツ丼も。
二人がうめーうめーと言いながら食べるのを少し羨んだが、自分の料理がくればそんな気持ちはどこへやら。
トゥルーチャしらしのおなーりーである。
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なんちゅうボリューム。
いったいどれから手を付ければいいんだ。

と同時に他の注文しないでよかったとも思う。
これだけでお腹一杯だわ。

まずは周りの小鉢から攻め立て、そして本丸のチラシ丼に攻め入った。
しょうゆを全体に垂らし、箸でわさびを少しすくう。
そしてトゥルーチャと酢飯をまとめて口の中に運び入れると
最初にわさびの辛さがツーンと走り、そして醤油の香りのするトゥルーチャの身が口のなかで溶けた。
うまぁー。
美味い以外の言葉が見当たらなかかった。
二人も未だウマイウマイ言いながら食べている。

南米一の称号は確かかも。

気がつくと、もうあと数口というところまでなくなっていた。

夢のひとときが終わってしまうという断腸の思いで完食。

でも大丈夫、明日も食べれるし!

食べ終わったお皿を下げに来た従業員が言った。
“明日は定休日です”

ちーん。

でもまぁ、街に魅力を感じないラパスだけどここだけは夢の国だ。
また明後日、ちらしを食べにこよう。
いやしかし、ラーメンもトンカツも捨てがたいなぁ。
心はすでに明後日の注文に向かっていた。

南米一の日本食レストランここに有り!

2012年10月24日水曜日

気分転換

ラパスに行けば何かが変わる。
ずっとそう思って走ってきた。

実のところ、クスコ以降自転車に乗ることへのテンションがいまいちあがりきらないままだった。
というのも、ナスカ~クスコのアンデス越えを達成してしまった一種の燃え尽き症候群なのか
温泉やチチカカ湖などポイントポイントでは、おぉっとうなる場面もあったが
全体としては自転車に乗っているのが長く感じられ、ぼぉっとした一日が続いていた。

だからボリビアの首都ラパスに行けば、何か刺激や変化のあるものに出会えるんじゃないかと思っていた。
ラパスには南米一ウマイとも言われる日本食もあるし、世界一高いところにある首都(憲法上の首都はスクレ)は
アンデス登山のメッカでもある。
前々からラパス近郊にある6000mを越えるワイナポトシ山に挑戦しようと思っていた。
気だるい走行が続いたことで、ここは気分転換が必要だということで
ラパスを目前にし、僕は何が何でもラパスでは登山をしようと決めていた。

湖沿いのホテルを出て一路ラパスを目指す。
やはり、ボリビア、地図に載っている集落もアテに出来ないほどしょぼい。
ストアもないような集落では休憩をする意欲も削がれる。
だから、そこで立ち止まることなく過ぎ去ってしまうことが多い。
そうなると人とのコミュニケーションの機会も当然減るので余計自転車を漕ぐストレスが増えてしまう。
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そうしたこともあってラパス入り当日はかなり精神的に辛い一日だった。
唯一の救いはアルティプラーノの高原の向こうに見えるレアル山脈群。
あの山の頂上から、今度は今いるチチカカ湖を見下ろすんだと思いながらひた走った。
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なんとか、ラパスに隣接するエル・アルト市に到着。
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この辺はかなり治安が悪いことで有名。
なんでも窪地にあるラパスでは標高の低いところほど裕福な人が住み、高い所に貧しい人がすむのだとか。
若干、荒んだ空気を感じるものの即座に危ない気配はない。
さっさと抜ければ問題無いだろう。

それにしてもこのあたりは本当に排気ガスが凄かった。
記憶が正しければ、中南米で一番ひどい。

そして凄まじいコレクティーボの数。
南米最貧国ボリビアでは一般市民は車が買えないのか走っている車はコレクティーボばかり。
その中に一分富裕層と見られるそれなりに立派な車が走っている。

そしてコレクティーボの乗り場が固まっているため一部で渋滞、渋滞を抜けると広い道路、再びすごいコレクティーボ渋滞と
天国と地獄を交互に繰り返した。
ようやくラパスへと降りるゲバラ像のところまでやってきた。
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ゲバラ像の先にある料金所を抜けるといきなりラパス市街が足元に現れる。
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なんつう密度。
10数km前とは世界が変わった。

しかし、ラパスを見下ろすこの場所に来ても僕のテンションは上がり切らないままだ。
すこし疲れているのかもしれない。

けれど、ラパスに行けば何かが変わる。
そう思ってずっと走ってきた。

ここには変わる何かがあるはずだ、と
願いに近い期待を込めて街へと下りる高速道を
僕は駆け足で下っていった。

2012年10月23日火曜日

ボリビアの天と地

コパカバーナはチチカカ湖南島部に突き出た半島に位置する街。
ここから、半島を横断し湖の対岸にあるボリビア本土を目指す。

朝は西の空に真っ黒な雲がかかっていて、出発を辞めようかとも思ったが、
ここにいても特に見たいものがないので出発することに。

コパカバーナを出るといきなりがっつりと登らされる。
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おいおい、湖畔のくせにがっつり山岳地帯じゃないの!
勘弁してくれ、と悪態をつきつつえっちらと。
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なんとか、ここが頂上のようだ。
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頂上で昼食を取り、下りに転じる頃には朝方かかっていた雲もだいぶ晴れて
湖を見通せる高地を気持良く走った。
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チチカカ湖。
僕自身はボリビアへのただの通り道だと思っていて、特に期待はしていなかったのだが
この湖岸沿いの道は本当に気持ちが良かった。
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終盤、半島を挟んで北側の湖と左側の湖を同時に見れるポイントがあった。
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s-DSC08511そこを抜けて最後に強烈な下りを過ぎると半島の先っちょの街に到着。
さすがにコパカバーナまでとは行かないが、宿に軽食、商店と必要最低限のものは揃っていた。
うむ、ボリビアもこれなら何とか旅ができそうだ。
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ここから対岸までは渡し舟を使う。
こんな風にバスも当然渡し舟。
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こうやって、小さな渡し舟に乗り込むのは何だか広島~愛媛を結ぶしまなみ海道のようで少し懐かしい。
本土側も再び上りの山岳地帯。
だからレイクサイドじゃないのかよ!といいたい。
道自体は湖を巻くように走ってるのに…
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そして、ここでちょっとした変化が。
このあたり、地図に載っていないあたりでも住宅がポツポツとあった。
地図に集落として載っているところはもちろんその密度が増した。
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しかし、どうも活気が感じられない。
人の気配もまばらで、どこも今までの中南米に見られたセントロのような場所がなかった。
おまけに、商店がまったくといっていいほどなかった。
むむ、やはりこっちがボリビアの真の姿かもしれないな。
おかげで休憩するタイミングを失い、走り続けるはめに。

一応、こんな立派な看板もあったけれど、あまり当てにならず。
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その辺にいた現地民に宿の場所を訪ねると、この辺には安いのと高いのがあるらしい。
まぁ当然安いほうを教えてもらう。
教えられた先のホテルは
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こんな感じ。
生気全くなしで営業してるのかい!ってかんじだ。
裏からセニョリータが出てきて、“やってる”と。
値段を聞くと、400円だった。ボリビア、宿はだいたいこんなもんなのだろうか。
しかし、お湯は当然出ず。
最初、出るって言ってたのに。。
まぁ、トイレ、シャワーなしの宿もあるっていうくらいだから、トイレがある分まだマシなのかな。

その後、時間が余ったのでおばちゃんが言っていた高い方のホテルを泊まるわけでもないのに冷やかしに。
1kmほど離れた場所にあったホテルは、こんな寂れた集落に似つかわしくない5つ星がついていた。
当然、見た目も立派。
トトラで出来たベンチとテーブルなんてのもあった。

ここは、ボリビアの本気をお手並み拝見といこう。

レセプションにはフォーマルな格好の従業員が2人。
その一方に値段を聞く。
『一泊いくら?』
「お二人様で70$です」

ほほう、ボリビアの現地通貨ボリビアーノじゃなくってドル建てですか。
この時点で地元民は論外ってことですな。
しかし5つ星でこの値段は安くないか?

『部屋を見せてくれないか?』
「かしこまりました」

と部屋に案内してもらうのだが、なんとここにはエレベーターまであった。
すごっ。
ボリビアにエレベーターなんてあったんだ 笑

見せてもらった部屋はまさに異世界。
小奇麗というより、ド綺麗なベッドには上品なベッドカバーがかけられ
エアコンもあれば、便座には清掃しましたよの紙のシートが巻かれ、
洗面台にはボトルに入ったシャンプーなどのアメニティが置いてあった。
当然、シャワーもアツアツが出ることだろう。

400円の我がホテルとは歴然の差だ。
しかし、手の届きそうな値段でこのクラスにホテルに泊まれるとは…。

ボリビアの本気にちょっと驚きつつ、我が家へと帰った。

まぁ、言うもんね住めば都って。

負け犬の遠吠えがチチカカ湖の夕日に吸い込まれていった。

2012年10月21日日曜日

悪魔の棲み家

国境のユングヨでの出入国も問題なく終了しボリビアに入国。
心配だった滞在日数も2ヶ月を許可された。

ボリビアといえばウユニ塩湖。
乾季の今の時期は地平の果てまで続く白の大地を走ることは僕を含めた自転車乗りの永遠の憧れだ。
だが、それと対にするように、自転車乗りの中でボリビアという言葉でセットになっているのが
“悪路”
である。

ローカルルートはもちろんのこと、幹線道路ですら道が悪くダートということはザラだそうだ。
そのダートも、高速移動する車が作り出すコルゲーションと呼ばれる洗濯板状のコブが延々続き
自転車を漕ぐのもままならないほど。

他にも飯が不味い、過疎、外国人料金、入村税、ストライキ、宿にシャワーはおろか、トイレすらないetc…
悪い噂は耳が痛くなるほど聞いた。
もちろん噂はひとり歩きするもの。
すべてが真実というわけではないだろうが、それでも僕はちょっとビビっていたのだ。

実際、入国しそうそう道路工事現場に遭遇。
脇にダートのサービスロードが設けられていたが、かなりの砂が溜まって走りづらそうだ。
工事現場はこのように砂で蓋をされていた。
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こんなふうに道路を砂山で塞ぐこともこの国では当たり前だそう。

いきなり噂通りの光景を目の当たりにし、ますます萎縮。

ちょっと走ってボリビア側のチチカカ湖の拠点コパカバーナに着いた。
観光地とは言え、どんだけうらぶれているのかと思ったら…
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結構栄えてるじゃないの。
露天に並ぶお菓子たちもペルーと変わらぬ品揃え。大好きな、スブリメというピーナッツ入りチョコもあった。
値段を聞くとペルーよりも安くなった。

そして宿探し。
観光地だけあって通りには沢山の宿が軒を連ねていた。
値段を聞くと450円だという。
安っ。
その値段ペルーでは水シャワーのボロ宿クラスなのに、かなり立派な作りでホッとシャワー付き。
他も見たかったので、そこは保留にして、別な宿をあたってみても300円~400円程度。
安すぎやしませんか?
結局、改装ほやほやのホテルを見つけ投宿。ここも300円だった。
そしてガスシャワーでアッツアツのお湯がドッバドバ。
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ボリビアンクオリティちょっと舐めてました。
これなら頑張れそうです。

宿に荷物を置いた後は湖岸を散歩。
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ここからはマンコ・カパックの降り立った太陽の島へのツアーが多数出ている。
ただ2~3時間のクルージングらしく、船に弱い僕はさすがにそんなに乗ってられないのでパス。

散歩した後、観光客向けのレストランでトゥルーチャ・デ・ア・ラ・ディアブロを頼む。
悪魔風の鱒と言われるこの料理はかなり辛かったがめちゃくちゃうまかった。
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もともとこの辺はトゥルーチャやぺぺレイといった魚料理が有名。
素材がいいので、しっかりした味付けをすれば美味くなるのは当然かもしれない。

夕方、街をふらついていると通りの向こうから見慣れた姿が。
モトミくんだった。
前日にコパカバーナ入りした彼は一日休養をしていたそう。
聞けばプーノ郊外で日本人サイクリストに会ったらしく、ここまでペアランしてきたそうだ。

そのリョウタさん(なんと5ヶ月でメキシコからここまで!)とも合流し、夜は地元食堂へ。
さすが地元、昼のレストランの4分の1の値段だったが
スープは冷めかけ、肉は噛みきれずと噂のボリビアンクオリティでちっとも食べれなかった。
他の二人はウマそうに食っていたが…

やっぱりやっていけるかちょっと不安だな…
そう思っていると、追い打ちをかけるように腹が痛くなってきた。
お昼に食べたトゥルーチャの辛さが腹に染みだしたのだった。
僕は慌ててトイレへ駆け込んだ。

あ、悪魔が尻から火を吹いている。。。

ボリビア、やっぱ怖いとこだわ。