2011年9月29日木曜日

写真で綴るアルバカーキ

写真中心ですが決して手抜きではありません(笑)
まずは、メキシコに入る前に自転車を整備するために自転車屋へ。
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愛車が手術台に乗せられる。
ここで消耗品であるチェーン、ワイヤー、ブレーキシューを交換。
予備パーツもここで補充。
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整備をしてくれたチャーリーと一緒に。
とびきり威勢がよくて、でも仕事はとっても繊細な彼。
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昼ごはんは、向かいのルート66ダイナーにて。
ここも名所なのでたくさんのお客で賑わっていた。
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が、味はイマイチ。
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ホステルに移動。
相部屋のホステルでは出来ない、自転車の清掃などはモーテルにいるときにやっといた。
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こんなかんじ。一泊20$。
ホステルはキッチンが付いているので自炊ができる。
近くのスーパーで食材を買ってきて炊きこみご飯を作った。
が、買ってきた鶏肉が腐っていた…。食べたけど。

宿にはちょうど日本人のU君が泊まっていたので一緒にサンタフェ観光に出かけた。
アルバカーキの北東100kmにあるサンタフェは全米でも最古の都市。
ここから電車に乗って移動。往復7$と激安だった。
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アルバカーキ駅
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電車。けっこう立派。
一時間半ほどで終点サンタフェ着。
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駅前のREIにて小物を調達。
今更ですが日焼け止め始めました。
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プエブロ式と呼ばれる土壁の街並。
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軒先にはニューメキシコのシンボル・チリがぶら下がる。
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全米最古の教会。らしい。
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お昼はピザ。
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注文する際にメニューに写真がないと中々味を想像しづらいのだが、U君にいいことを教わった。
それはメニューの一番上に載っている料理はお店のイチオシのはずだからハズレはないということ。
なるほど、確かに。
実際にU君の注文したピザは僕の頼んだものよりおいしかった。
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帰還。この日は日曜日のため帰りの電車が一本しかなくサンタフェでかなり持て余してしまった。
でも、アイス食べたりコーヒー飲んだりのんびり出来た。
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U君はこの日の深夜バスにてフェニックスへ旅立っていった。
翌日はアルバカーキでゆっくり。
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街のセントラルをルート66が走る。
当然バスの名前も66番。
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スペイン色が強い街なのでスペイン語が街中に溢れている。
スーパーの食材もメキシカンが増えてきた。

いよいよアメリカ旅も終盤戦だ。

2011年9月28日水曜日

兎と亀

翌朝、Grantsの街を出て快調に走っていると、突然後ろから声をかけられた。
ウォークマンで音楽を聞きながら走っていたのでまったく気配に気付けずびっくり。

見れば、自転車乗りだった。しかもフル装備。
並走しながら少し話をするとポートランドから自転車でパナマを目指している23歳のアメリカ人だった。
今日は僕と同じくAlbuquerqueの街を目的地にしているようだ。

じゃあまた街で会えるかもねと話をして彼と別れたが驚いた。
めちゃくちゃ早い!

僕もこの時は、やや下りというのもあって30km前後で走行していたが、彼はあっさり僕を突き放していった。
たぶん、40km近く出ていたのではないか。

フル装備のツーリング車で平地であのスピード…
おまけにTシャツが裏返し…
一体何者なんだ…
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追走するのは体力を消耗してしまうので僕は僕のペースで行くことにした。
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そうしたら、そこから60kmくらい先のトラックストップで彼の自転車を見かけた。

そうだよな、あのスピードで漕いだらバテるよな。
彼が常人であることにちょっとほっとした。

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トラックストップの向かいにある橋。
何か5年前からずっと工事しているような…
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一山越えるとAlbuquerque都市圏突入。
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ナインマイルヒルと呼ばれるダウンタウンから9マイル地点の丘。夜景スポットらしい。
ここから一気に下って街中へ。
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Rio・Grande。
メキシコ湾へ注ぐこの河はそのままテキサス州とメキシコを区切るラインとなっている。
これから向かうエルパソでこの河を越えるとメキシコである。
写真を撮っていると、今朝の彼に再び追い抜かれる。

この街でメキシコ入の準備を整えるつもりだったのでHostelを探す。
が、今日は満室ということだったので明日の予約をし、近くのモーテルに泊まることに。

街中を散策していると、ダウンタウンで三度彼に出会う。
お互い走行終了だったのでベンチに腰掛けて少し話をした。

彼、サムはなんとポートランドからここまでわずか3週間で来たそうだ。
同じような位置のバンクーバーから出た僕が2ヶ月かかってきているのでこのスピードは相当早い。

この後いったんロサンゼルスへ列車で向かい、友人宅で少し静養するそう。
メキシコ国境は危ないのでバスででパスするそうだがメキシコシティでまた会えるかもねと話して別れた。

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2011年9月27日火曜日

ルート66再び その3

今日は何度も出入りを繰り返したアリゾナを抜けてニューメキシコに入る。
そして今いるアリゾナは微妙にナバホ自治区の範囲内である。
これがまたややこしいのである。
というのもアリゾナ州、ニューメキシコ州ともにマウンテンタイムゾーンなので時差は生じないのだが
アリゾナ州はサマータイムを採用していないため、この時期は一時間の時差が起きる。
しかし、ナバホ自治区はアリゾナ州にあってサマータイムを採用している。
なので毎日時間が行ったり来たりでわけがわからない。

今日も朝イチで出るつもりだったが泊まったモーテルが朝食付きだったので食べようとするも
7時からというのは、どこの時間帯の7時を指しているのか分からず混乱してしまう。

未だに、時間に振り回されている僕…

それでも朝飯にありついて出発。
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まもなく州境に着き、ニューメキシコに入った。
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さすがニューメキシコ、チリマークでお出迎え。
ニューメキシコに入った途端路肩がガタガタになった。ちゃんと整備してくださいよー…

ここからすぐのところにニューメキシコのウェルカムセンターがあったのでここで地図を入手。
しかし、今日は朝から天気が悪い。

早い時間だったが、雨が降り出すようであればこの先のギャラップでもう走行終了しようと思いつつ街に向かった。
このギャラップの街は白人とインディアンの交易所として栄えた街。
でも、なんとなく雰囲気が悪い。
実際の治安はよく分からないがギャラップでは絶対野宿はするなとガソスタで会ったおじさんも言っていた。
そういえば以前訪れた時も、あまり好きじゃない雰囲気でさっさとスルーした記憶があった。
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こんな激安モーテルも発見し心が揺れるが、天気もぎりぎり持ちそうだったので先へ進むことにした。

その前にスター俳優が数多く泊まったというエルランチョモーテルをパチリ。
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そしてここでついにルート66の轍が一本に繋がった。
それでも、これからアルバカーキまでずっとこの道を辿ってゆくので特別なことはなくさらっと通過。

それよりも嬉しいかったのは街をでてしばらく行ったところにあるトラックストップの角っこ。
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そうそう、ここで野宿したんだった。
やたらトラックのおっちゃんに声かけられて寝れなかった記憶が蘇る。

トラックストップで休憩しているとだいぶ雨雲が出てきた。
ここのところ毎日雨雲に追われてるなぁ。
再出発して10分も立たないうちに雨に振られる。
こりゃ戻ってあの場所で再野宿かな?と思ったが野宿にはあまりにも早すぎる時間であったし
幸いなことにすぐに雨は止んだ。

が例によって雨雲第二波、第三波とやってきて、また結局逃げるハメに。
やっぱりギャラップでストップしとくべきだったかなぁ。

それでも途中でこの旅6回目の分水嶺越えを果たした。
おかげで道はゆっくりとした下り坂だったので雨雲が迫ってきても気持ち的には少し余裕があった。

が、ついた街のモーテルが高くて少々焦る。
今度の雨雲は本流といった感じだったのでキャンプは避けたかった。
街中を走り回ってようやく手頃なモーテルを見つけたタイミングで雨が降ってきた。

でも雨雲に追われて本日の走行記録185km。
ちなみに一日の最高記録は230km。これも雨雲に追われてです(笑)
どれだけ雨雲にビビってるんでしょう…

次の日の新聞を見たら、この雨で先の街が鉄砲水にやられたって一面を飾ってました。

2011年9月26日月曜日

ルート66再び その2

朝、出発しようとモーテルの外に自転車を押すと、ハンドルから何か違和感が走った。
この違和感は、どこか昔で経験がある。
後輪を触ってみると、タイヤがパンクをしていた。
この旅初のパンクである。

けれど、幸いなことにモーテルをチェックアウトする前ということ、早朝ということで
特に気持ちが落ち込むこともなかった。
それよりも、ここまでよくパンクせずにこれたなぁと感心してしまった。
普通のタイヤは大体5,000km程で寿命となるが、
僕の使っているSchwalbeのMarathon Plusは5,000km近く走った今の
時点でもたっぷり溝も残っていてまだまだ使える。

日本にいた時は、下位モデルのMarathonを使っていて何を隠そうこの5年間
パンク知らずだった。
最後にパンク修理したのは確か、ロサンゼルスへ向かうカホン峠の途中だったと思う。

すっかりSchwalbe信者の僕は携行している予備タイヤも派生モデルのMarathon Racer。
こちらはより軽量で折り畳みできるのでスペアとしてぴったり。
タイヤを日晒しで持ち運びするとゴムが劣化してしまうので
バッグの奥底でいざという時まで眠ってもらっている。

さて、宣伝が長くなりましたが(笑)
久しぶりにパンク修理にとりかかる。
パンク自体はすぐに修理完了し、再発防止のためにタイヤを点検すると
小さな針金が刺さっていたので抜き取って終了。

朝の出だしから躓いてしまったが、気持ちを切り替え出発。
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2時間ほど走ると、化石の森国立公園の看板が見えてきた。
この公園は、その名の通り木が化石になってゴロゴロ転がっている公園である。
化石の持ち出しは厳禁だが、敷地外で採掘された化石は街中でもたくさん売っているので
あまり興味はなかったが、通り道だし、ニュースペーパーロック(インディアンの壁面彫刻)もあるっていうし行ってみるかぁ。
と寄り道してみることに。
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が、最初のビジターセンターのストアで愕然とした。
物価が異常に高い、そして品揃えが悪い!
いつも1ドルで買ってるコーラが倍以上の値段だった。
ビジターセンターでの補給を頭に入れていた僕はちょっとショックを受ける。

そして園内地図をもらってさらにびっくり。
目玉の化石群はここから30km近く走らないと見れないそうだ。
園内を南北に走る道路があるのは、元々知っていたが園内に入ればゴロゴロしてるんだろうなと思っていた。
それが見れる場所が限られるなんて…
化石を見ようとなると、園内を往復することになり合計70km程走ることになり、それだけで一日仕事になってしまう。
元々ちょっと化石見たら引き返そうぐらいの気持ちだったのだ。
70kmはちよっと骨が折れる。

それでも、多少は最初の方に化石あるんじゃないのかなと僅かな期待を込めて入園した。
が、期待はもろくも崩れさり、園内の前半部分はひたすらペインテッド砂漠だった。
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さんざん見てきたし、もういいよ…

とさらにテンションダウン。

気づくと朝のパンク修理が甘かったようで、再び後輪の空気が抜けていた。

ゲームオーバー。

南の空も雲が大挙して押し寄せていてストームになりそうだったのもあり、たった5kmで引き返した。

なんだろう、この敗北感…

それで引き返したのは懸命な判断だったようで、まもなく雲は真っ黒な雨雲になった。
第一波はなんとか逃げ切ったが、第二波に捕まった。
あっという間に土砂降り。
モニュメントバレーで遭遇したストームよりは雨量は少ないが、粒が信じられないぐらいにでかくて
レインウェア越しからビシビシと当たる雨粒が痛い。
あとで気づいたが唇が切れていた…
まぁこれは日焼けで傷んでいたのもあるけれど、でもそのぐらい叩き付ける雨だった。

雷も鳴り始めて、そろそろまずいなーと思ってるところにモーテル発見。
夕方も近かったので、早めに走行終了とした。
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夜ご飯に作ったカレーそば。激うま。

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2011年9月25日日曜日

ルート66再び その1

砂漠地帯を二日間走ると、道はぐんぐん高度を上げて再び標高2000mほどまで上がった。
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目に飛び込んでくる景色も徐々に緑色が増え、少し安心。
一山超えるとフラッグスタッフ都市圏に入った。
市外のキャンプ場で一泊した後、再び道路を走ると思いがけない標識に出会った。
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カナダ国境から一緒に南下してきたUSハイウェイ89号線はここで終点のようだ。
てっきりメキシコ国境まで伸びていると思っていたので意外だった。
たまにインターステートハイウェイに浮気したりしたけれど、基本的にはずっと走ってきた89号線。
牧草地、荒野、高原、砂漠、森林…と表情豊かに僕のアメリカ旅を彩ってくれた。
ありがとう!!

別れあれば再会あり。

思いがけない、89号線との別れから数分後、かつて青春を共にしたあいつに僕は再び出会った。
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ルート66再び。
シカゴ~ロサンゼルス間4000kmを結ぶ世界一有名なハイウェイ。
道路の大半がインターステートハイウェイに塗り替えられてしまってもなお、人々を惹きつける伝説の道ルート66。

僕は5年前にこの道をたどってニューヨーク~シカゴ~ロサンゼルスを走った。
乾いた喉を潤す一杯のコーラを求めて入ったガソリンスタンド、日もすっかり沈んでしまった視線の先に煌々と煌くモーテルのネオンサイン、
いったい誰がどんな目的で作ったか分からないユニークなロードサイドのオブジェ、そしてそこに暮らす人々…

ここを走って僕が感じたことは、ルート66は単なる観光道路ではなく“生活者の道”だった。
この地に暮らす人々にとって、この道は特別な道路ではなく、普段からいつもそこにある存在で
でも、この道があるから暮らしていける、そんなかんじ。

僕はこの道に旅の醍醐味を、叩きこまれたといっても過言ではない。
この道に帰ってきた…

あ、先週の家族旅行で少し走ってるよねって突っ込みはやめてください(笑)
あくまで自転車でってことです。

実はこの道5年前に完全走破したわけではなかった。
ニューメキシコ州ギャラップでモニュメントバレーを訪ねるために北上したた未走区間があった。
その区間がこの先のホルブルック~ギャラップにあたる。

フラッグスタッフからはセドナ、フェニックスを経由して南下すれば約500kmでメキシコへの最短距離となるが
せっかくここまできたので、少々遠回りになるが東に進みこのルート66を完全走破することにした。

とゆうか、このまま南下したら暑すぎて野垂れ死ぬ可能性があったのも有り(アリゾナ南部は高温警報が出ていた)

よし!じゃあ久々によろしくお願いします!!
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いきなりガッタガタ…
側にインターステートが走っていると大抵こんな風に手付かずの場合が多い。
しばらく進むとI-40と合流。
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アリゾナ州、ニューメキシコ州などはインターステートを自転車で走ることが合法。
路肩は広々、路面もフラット。
そして久々に(カルガリー以来ではないか)平地が続いたので自然とスピードが上がる。

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ツインアローズのオブジェ。
以前訪れているので今回はパスしたが、ボロボロに朽ち果てていた矢がきれいに修繕されていた。
いったい誰が…
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ウインズロー到着。
ただの壁だが面白おかしくペイントされているのでよく見てみてください。

この街はEaglesのTake It Easyの曲のモデルになった場所。
街角にドン・ヘンリーの銅像が立っている。
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街の出口のトラックストップでしばし昼休み。

このあたりまで来るとトラックストップが大型のものが目立ち、店内も非常に便がいい。
24時間営業を基本とし、ストアにレストラン、シャワーにランドリー、果てには床屋まで入っていて
ここで暮らせるんではないかと思ってしまうほどの充実っぷり。
外の大型駐車場ではトラックのおっちゃんたちも多く休憩していて、絶好の野宿スポットとなる。

走行再開すると再び荒野へ。
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本日の目的地、ホルブルックの手前のジョセフシティでは
見たことある人もいるであろうこちらに立ち寄った。
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ジャックラビットトレーディングポストの巨大看板です。
“Here It Is”とジャックラビットが呼びかける言葉とは裏腹にお店はガラガラでお店のガラスも以前と同じく割れた状態のままだった。
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幸いなことにドリンクとアイスも少量だが販売されていたので購入して涼をとる。
目的地まであとひと踏ん張り。
ホルブルック名物ウィグアムモーテル。泊まってませんが。

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ホルブルック到着。
到着する頃には南の空が黒く染まって、薄気味悪い風が吹き出していたので
早々にモーテルin。
スーパーのセーフウェイがあることも知っていたので、食材を買って晩ご飯とした。
案の定夜は雨が降った。
さて明日から知らない道だ!