2012年6月22日金曜日

やれば出来るエクアドルとどうしてこうなるエクアドル

バルサスの街では結局2泊。
山の中の田舎町らしいのどかな雰囲気と、前夜から朝方まで降り続いた雨のため延泊した。
ちょうどこの日は僕の誕生日だったし、会社にいた頃は一度も使ったことがなかったバースデー休暇と行きましょう。

あ、みなさん誕生日メッセージありがとうございます。
予想外にたくさんのお祝いの言葉をもらえて年甲斐もなく感激しました。
28歳、そろそろ無茶なことは卒業して歳相応の落ち着いた旅人を目指します 笑

さて、バルサスの街での誕生日を一日ゆっくり過ごした翌日、つぎの街へ向けて出発した。

今日は80km先のパンアメリカンハイウェーに合流してさらに20km先のカタコチャまで。
山道の100kmなので気合をいれて出発。

一度900m付近まで上った後、600mまで下り再び2000mまで登るハードなコース。

一つ目峠を越えて、谷底に下りた時にはもう既に太陽が燦々と照りつけていて背中を射した。

今日中に100km走れるかどうか、やや不安がよぎったが思いの外、そこからの道は舗装もよく無駄なアップダウンもほとんどない走りやすい道路だった。
おかげで午前中で約半分48km地点の村までたどり着き昼食。

登り坂の基本はしっかり食べておくことだ。
単純なことだけれど、食うと食わないでは本当に踏み込みに差が出る。

目一杯、昼飯を胃袋に詰め込み再度出発。

相変わらず道は綺麗に谷沿いの道を巻いて登っていった。
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なんだよ、エクアドルやれば出来るじゃん。
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そう思いながら登り続けること、ちょうど今日の獲得標高が2000mを超えた頃前方にパン・アメリカン・ハイウェイを示す標識が現れた。

やった、ここからはもう楽勝だ!

そう思った矢先、標識の示す道路は何故か砂利の敷き詰められた未舗装の道だった。

???

すぐ先にも分岐があったのでそこまで行ってみるもやはり砂利道。

近くの商店にいたおじさんに、道を尋ねるもこの道がパンアメリカンだという。

この辺りは工事中かなんかかなと思いつつその砂利道に進んだ。
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進んでみたものの、工事をしている形跡はなく、すぐにこの未舗装の道はこの区間だけじゃなく、
この先ずっと続くことに気付いた。

砂利はかなり盛られて敷かれていて、ペダルを漕ぐとタイヤが足を取られてしまい進まない。
しばらく走ると深い砂利道は終わったのだが、ひどい悪路は続いた。
通りゆく車もガタガタの道の少しでも良い道を通ろうとするため、対向車もこちら側の車も同じ轍を通る。
僕もその轍が一番走りやすいため、それを辿って走るが、そうすると自然に道路の真中に押し出されてしまう。
これじゃあ危ないと路肩に戻ろうとするも、路肩は車に弾かれた砂利の溜まり場になっていて、とても自転車を漕げる状態ではなかった。
たまに舗装路が復活するも、ボコボコに穴が空いておりまだ未舗装の方が走りやすいと思えるほど。
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せっかくスムースに上りを終えれたのにパンアメリカンに合流してからが大変だった。
これ、本当にエクアドルの主要幹線ですよね…?

そんなこんなで走ること20km。
日暮れ前になんとかカタコチャに滑り込んだ。
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セントロ近くにとったホテル、800円とお手頃な上に恐ろしく綺麗な部屋だった。
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まさに苦あれば楽あり。
思えばエクアドルのホテル、スクレはともかくとして外したことがなかった。
どこの街のホテルも10$前後で泊まれて、綺麗でネットも使えた。
それに石鹸だけじゃなく、シャンプーまでついてくるホテルも多かった。
まぁ、シャワーでコールドを回すとお湯が出てくるのがエクアドルクオリティなんだけど。

ささっとシャワーを浴びて、夕飯と明日の食料を買いに表へ出る。

今週は街のお祭りのようで、どこも店じまいが早く、皆セントロにある教会へと集まっていた。
街をぶらついていると、すれ違うおばさんから、こんばんわと声が掛かる。
こんな観光客が訪れるはずもない田舎町で、こうした声がかかることは特にこのエクアドルではちょっと驚きだった。

商店に入って飲み物を買うと、お店のおばさんは“ボトルにホコリがついてるわね”と慌てて布巾を持ちだして僕の買ったペットボトルを拭いてくれた。
商店を出てすぐのところに、チキンの屋台が出ていた。
レストランもいつくかあったのだが、久しく屋台飯を食べていなかったのと、味はともかく今日はこの街の人達と肩を並べて少しでも同じ空気を感じたい気分だった。
かんじの良い老夫婦のやっている屋台でチキンを購入し、備え付けの椅子に座って爪楊枝で食べた。
すっかり標高もあがっていたので、夜になるとそれなりの寒さになる。
けれど、その寒さがどことなくこの街の居心地の良さを演出しているようだった。

食事を終え、ホテルに戻る道を歩いていると、霧が下りてきて街灯の明かりが柔らかく包まれていた。

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2012年6月20日水曜日

再び山の中へ

昨日は一晩中、このまま近い方のペルー国境に抜けちゃおうかどうか悩んだけど、やっぱり予定通りアンデスに戻って
マカラの国境を目指すことにする。
この暑さでの登りはキツイけど、危険と言われる国境で事件に巻き込まれた後では仕方がない。
これは安全のための遠回りだから仕方ない。
安全の対価が山道と割りきって進もう。
とはいえ、その分岐に来た時は相当後ろ髪ひかれたけど 笑
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さらば平地。
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分岐をロハ方面に曲がった途端、道の舗装が悪くなった。
エクアドルさん、メイン道じゃないからってあからさますぎじゃないっすか??

そして再び繰り返される悪夢のようなアップダウン。
低地の暑さがこのキツさに拍車をかける。
背中が太陽光線を受けて暑い。まるで太陽を背負い込んだみたいだ。
(南半球では、太陽は南中するのでなく、北中するので基本的に太陽は背中に受けることになる。)

たちまち用意しておいた飲み物は底を付き、途中に現れたレストランでキンキンに冷えたコーラを流し込む。

飲み物の消費が高地とは歴然の差だった。

傾斜もなかなかキツく、一番軽いギアにしても漕ぐのがつらい。

とゆうかこんな山のなかに、こんな直線道路をぶっこぬくから傾斜がキツイし、アップダウン多くなるわけですな。
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一度800mまであがった後、650mまで下るとバルサスの街が見えてきた。
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まだ時刻は午後1時だが、この次の街は40km先で今日以上の登りとなるので今日はこれにてストップ。

街は案外大きく宿も4件あったのだが、こんな辺鄙なところに泊まりに来る客は少ないのか、どの宿を尋ねても誰もいなく
仕方なく一番最初に紹介してもらった、高台にある街一番のホテルに泊まることに。
少し値引きしてもらえたし、朝ご飯もつくのでまぁいいでしょう。
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2012年6月18日月曜日

アンデスからのエスケープ

クエンカには3泊した。
その間はペルーの地図を探し周ったり、大都市恒例の自転車屋チェックなどをしたが
どれも半日で終わるものだったので、それ以外はゆっくりと過ごした。
サヌキくんともこの街で再会を果たし、カレーを食べに行ったりも。
エクアドルはこういう都市以外ほんとに飯のバリエーションが少ないから、こうやってアジア飯を食べれるのはやっぱり嬉しい。
カレーはちょっと高いけど、ピザなんかは1$で食べれる。

そんな三日を過ごした後、ペルーに向けてクエンカを後に。

ペルーの国境は3つあって、一つはここから太平洋沿岸部に下りて、海側から入国するルート。
もう一つはこのままパンアメリカンハイウェイを南下してマカラの街から入国するルート。
最後はパンアメリカンハイウェイ上の途中の街ロハからローカルルートでひたすら未舗装の道を抜けていくルート。

最後のはかなりマイナールートなので基本的には先の2つからチョイスすることになる。
太平洋ルートはペルーに入ってからの治安が悪いようなので、僕は真ん中のルートでペルー入りを目指す。
ただ、ここからクエンカ以南のパンアメリカンは、きついエクアドルの山道の中でも特に勾配がきつく自転車乗り泣かせとのこと。
なんでも1000m単位のアップダウンを繰り返すそうだ。
それはそれで嫌だなぁと思って辿り着いたのが、一旦海に下りて、再びアンデスに戻ってくるコース。
これだと無駄なアップダウンを避けることができるようで距離も20kmほどしか延びない。
これで行こうということで、進路は一度太平洋へ。

クエンカ郊外に出るとその分岐がやってきた。
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迷わず直進。

ただ、ここから下り一辺倒かと思ったらそうでもなく下り基調のアップダウンが続き予想外に大変。
おまけに道もだんだん細くなってきた。
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初日はサンタイザベルの街の街道沿いのホテルでストップ。
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2日目、サンタイザベルを過ぎると道はいよいよ未舗装になった。
途中車が1台通るのがやっとというような道もあったりで本当に合ってるか心配になったがGPSで確認すると道は外れていない。
これが幹線道路とか。
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一応地図には”All Weather Road”って書いてあるけど雨季は大丈夫なのかな?
道端には落石がゴロゴロとしている。
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そんな道も40kmほど走るとかなりましな舗装路に戻り、そして中米を思わせる蒸し暑さが蘇ってきた。
標高は500m。ここまで下りてきて、ようやくエクアドルは赤道直下の国だということを思い出した。

さらに下ってついに標高は0mへ。

パサへという大きな街を過ぎると周囲は見渡す限りのバナナ畑へ変わった。
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昨日までの爽やかな世界とは別世界。

ここにシエラ(アンデス)、オリエンテ(アマゾン)、コスタ(太平洋)を抱えるエクアドルの奥深さを感じた。

それにしても、ここまで下りてくるのが大変だったのに加えてこの暑さ。
実際アンデス山中を走っていた時はドリンクはせいぜい500ml程度で済んでいたのに
ここパサへから25km先のサンタローサまでで1000mlの飲み物を消化していた。
明日からまた山に戻るけど、この暑さの中で登りはもしかして、高地でアップダウンを繰り返すよりも大変なんじゃないのか?
明日からの山岳地帯に一抹の不安を感じながら床に着いた。

2012年6月16日土曜日

クエンカ到着

カニャルの街を出るために、少々の上りって標高は3600m。
どこまでも見渡せる気持ちのよい高原地帯が広がっていた。
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そこから一気の下りであっという間に1000m下る。

下った先にはキトを出て以来目標にしていたエクアドル第3の都市クエンカ。
そこは
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おなじみの世界遺産指定のコロニアル都市。

すっかり希少価値の薄れたコロニアル都市だったが、クエンカには久々に見応えのあるカテドラルがあった。
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高原都市にふさわしい、爽やかなブルーのアーチがかかったドーム。
コロニアル都市によくある重苦しい歴史の重厚さを感じさせない清々しい街だった。

さっそく自転車を置いて街歩きするべくホテル探しをするも、なかなか安い宿がない。
どこも20$以上。たのみのホステルですらこの金額だった。
ここで山道の疲れをとるために数泊する予定だったので、一泊でこの金額は厳しい。
10件ほど宿を見て回っていると、途中でスイス人カップルのチャリダーと会った。
彼らも安ホテルが見つからず苦戦しているそうだった。
もうこれは仕方ないのかな、と思って値段については半ば諦めて気味になる。

10数件目のホテルに入ると、中庭があり妙に落ち着いた雰囲気があった。
僕の好きな作りの宿だった。
すぐに宿のマネージャーが案内に来てくれた。
彼とも不思議と話の調子が合い、一泊25$と値が張るものの、3泊するからと一泊20$負けてもらったので
ここに決めた。
部屋も古いながらも、手入れが行き届いていて居心地がよさそう。
世界遺産のクエンカだけど、特にこれといってここでやりたいことはないので、
山道を越えてきた疲れをここで癒すことにしよう。
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