2013年1月20日日曜日

味のないトマト

翌日。
昨日の風は完璧に凪いでおり、パーフェクト。
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アランと仕切り直しの峠越えに望んだ。
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途中にあるプエンテ・デル・インカで一泊するという彼に対し、僕は行けるところまで。
写真にある荷物量を見て分かる通り、僕はどちらかというと軽量の部類。
自転車の自重は登り坂で特に影響が出るので、峠越えの今回、次第に彼と僕と距離が開いていく。
チリに入ってからのルートも違うので、僕は僕のペースで峠を登った。
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全線舗装路の峠越え、しかも最高点の標高は3,000mそこそこ。
これまでのあのきつい道のりに比べれば、遥かに楽。
ただ、それと同時に飛び込んでくる風景の印象も何か受動的に単調に流れていった。
お昼すぎにはリゾートホテルの並ぶちょっとした集落に到着し、お昼休憩を取った。
その一角にある比較的安そうなカフェでサンドイッチを頼んだ時のこと。

山奥とはいえど、観光地であるこの辺りで頼むサンドイッチは値段も盛り付けもそれなりにして
サロンを巻いたウェイターが、“ブエンブロベッチョ”良い食事をと声をかけて運ばれてきた。
チーズに、ハム、レタスにトマトで脇からはみ出した具は見た目も色鮮やか。
バクリとかじりついてしばらくしてある違和感に気づいた。

トマトの味がほとんどしないのだ。

アルゼンチンの料理は牛肉以外大したことがないのだが、
それにしてもここのトマトは、ウマいマズイの次元を超えて味がしなかった。

アンデス山脈の北部エクアドルのあたりが原産と言われるトマト。
確かにあの辺で食べていたトマトは形こそ小ぶりなものも多かったが
赤みが強く、味も瑞々しさと濃さを兼ね備えていて、塩だけで十分美味く食べれてたものだ。
思えばメンドーサのスーパーで見かけたトマトも不自然な程に丸く、どれも形が整って艶があった。
僕が食べてきたトマトはもっと野趣味があった気がする。

アンデスも終盤戦に差し掛かったこの峠越え。

味のしないトマトはそれをつくづくと実感させた。
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