僕がかつて青春時代を過ごした街の一つである下北沢に同名のお店があった。
また、“Leaping Fool(飛び跳ねるバカ)”のロゴで一世を風靡したザックブランドDANA DESIGNの創業者Dana Gleasonが立ち上げたブランドMystery RanchはMade In Bozemanにこだわって生産されている。
そんなBozemanの街がイエローストーン国立公園へ向かう途中にある。
調べてみると、運よく20$の安宿がある。
せっかく通り道にあるので少し、寄ってみよう。
休憩中 |
オランダとニューヨークにも寄り道 |
そんな軽い気持ちでBozemanの街に2泊することにした。
到着!! |
ちょっとした田舎町かと思ったら、かなりの大都会。
Wal martはあるは、REIはあるは、その他ショッピングセンターが立ち並んでいる。
先日立ち寄ったモンタナの州都Helenaも都会だったが、着いたのが日曜のため街は静まり返っていたので、僕にとってはこの街は久しぶりの都会に見えた。
人口3万人強の人口だが、イエローストーンの北と西の玄関口のLivingstone とWest yellowstoneに通じる道があるので居住人口以上に人がにぎやかだ。
インターステートを降りて、街のメインストリートを走りながら目的のホステルを探していると、一件のレストランが目に入った。
Japanese Restaurant Watanabe。
僕はカルガリーでから揚げを食べて以来、から揚げに異常なほどから揚げに飢えていた。
値段が手頃で、から揚げがあったら今日はここで晩御飯を食べよう。
もし高かったら、隣の中華屋のビュッフェでドカ食いだとマーキング。
レストランから程ない距離の住宅地の中にホステルはあった。
なかなかいい感じ。
ここでしっかり骨を休めてイエローストーンに備えよう。
そうと決まれば、から揚げでパワーをつけるぞ!と先ほどのレストランへ。
丁度ディナータイムの時間が始まったばかりで、店内はまだ僕一人だった。
“Watanabe”という店構えだから、日本の方がやっているのかなと思ったら、やはり日本の方の経営だった。
メニューを見せてもらうと、リーズナブルな値段だったのでここで夕食をとる事にする。
もちろんから揚げもあったのでから揚げ丼をオーダー。
注文から十数分後、僕は幸せに包まれていた。
カルガリーからそれほど日も経っていないはずなのに、故郷の味の引力というのはやはり切っても切れないものらしい。
すっかりご満悦に浸っている僕に、ご主人の渡辺さんが声をかけて来た。
『釣りですか?』
ここモンタナやワイオミングは世界の太公望憧れの地なのだ。
『いえ、自転車でアルゼンチンを目指してるんです』
と旅の経緯を簡単に話した。
渡辺さんは特に驚く様子もなく、『メキシコは気をつけなよ』と諭した。
自分としてはもう少し驚くかなと思ったのだけれど、
ここは世界有数の観光地であるイエローストーンのゲートシティ。
そこの日本食レストランとくれば、毎日たくさんの日本人が訪れるだろうし、
同じ様な人もたくさん来るのかななんて思った。
とはいえ、せっかくおいしい食事を食べさせてくれたご主人ともう少し会話を楽しみたかったのだが、だんだんと込み合う時間になり、あまり話せず少し残念な気持ちでお店を後にすることにした。
外で自転車のロックを外していると、お店から渡辺さんが飛び出してきた。
『一晩くらいウチに泊まっていかないか?』
ええ??と本当に意外な思いがした。
あんまり自分に興味はなさそうな気がしたのにどうして?
でも、忙しい仕事の最中を抜け出して声をかけてくれた事が嬉しくて、僕は二つ返事でお世話になることにした。
もう既に、ホステルに2泊分のお金を支払った後だったので、2日後にお世話になることにした。
第一印象が良かった街なので、もう一日いられるのは有り難いことだ。
どうせ、あってない様な旅のスケジュール。
こうした出会いで予定がずれることに、なにか旅の醍醐味みたいなものを感じる。
ホステルでの2日間はお店に行って必要なものを買い揃えたり、ブログを書いたり、博物館に行ったりしてゆっくり過ごした。
ミステリーランチにも行ってきた |
この日はうどんといなりずし。これまたうまかった!!
ロッキー博物館は、恐竜の化石の展示がメインとしつつも、インディアン関係の展示(これは撮影禁止)、昔のモンタナの暮らしの展示、カエル展などジャンルが多岐に分かれていておもしろい。
個人的には、子供向けにイエローストーン地質学、生物学を体験できるフロアが楽しめた。
ロッキー博物館 |
この角で一突きされたらひとたまりも無い!! |
超でかかった |
猛毒らしい |
そうして3日目の夕方。
待ち合わせがお店の閉店後だったので、その辺りのファストフードで時間を潰そうと思って自転車を走らせていると、住宅地の一角から僕を手招きする声が聞こえた。
見ると、若者が7~8人ビール片手にパーティをしていた。
『スーパーマンになろうぜ!!』
最初は何を言っているのか分からなかったけれど、庭を見て合点がいった。
庭に敷かれたブルーシートに水が撒かれていて、そこへ走りながらダイブするのだ。
既に彼らは酔っ払っていて、特に危険も感じなかったのでここは一つ日イヅル国の特攻魂を見せたろうと思い、Tシャツを脱ぎ捨てブルーシートへ向かってつっこんだ。
僕はすっかりビショビショになってしまったがこれで若者たちはすっかり気を良くし、僕にビールを勧めてきて、そのままピザ屋さんへ…。
見知らぬ人らと乾杯!! |
彼らはこの街にあるモンタナ州立大学の学生たちで、仲間たちで今日はパーティをしていたそうだ。
ある一人の男の子が“Fuck you”は日本語でなんて言うんだ?と訪ねてくるので“死んじまえ!”と教えた。
そうすると、覚えたての言葉を使って仲間に“死んじまえ”と叫ぶ。
意味を知った別な男の子が、他の言葉を教えてくれというので“チン○ヤロー”を伝授。
こうしてみんな覚えたての日本語のスラングを叫び合っていた。
教えた張本人は、それを見ながら爆笑。
どうやら20歳そこそこの若者たちの思考回路というのは万国共通なようだ。
もう少しこの若者たちとバカ騒ぎしたかったが、渡辺さんとの約束の時間も迫っていたので名残惜しいがこの場を去ることにした。
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