その間欠泉の数は世界の間欠泉の何分の一になるとか(数値忘れた)
園内を走っていると遠くで湯煙がもくもくと上がっていたり、道端で急に間欠泉が噴出したりして中々油断ならない。
ただし、これだけ温泉が吹き出ているにも関わらず、園内に入浴ができる温泉施設はない。
硫黄のにおいを嗅いでおいて入れないなんて僕ら日本人にとってはとれそうでとれないUFOキャッチャーのように歯がゆいもの。
しかし、実は一箇所だけ入れる温泉があるらしい。
温泉と言っても、ちゃんとした入浴施設があるわけではなく、温泉の源泉と川の水が合流する地点がちょうど良い湯加減になっているそうだ。
それは旅人伝いの情報で、公園北のゲートであるマンモス地区に入ってすぐにあるという情報を入手していた。
バンフやこれまでのルートのなかでHot springsという言葉に散々裏切られていたので、ここにはちょっと期待している。
今朝、先に出発していた明石さん、スティーブとマンモス地区のキャンプ場にて合流し、3人で噂の温泉を探す。
温泉へのトレイルはモンタナとワイオミングの州境にあったのだが、なぜか封鎖されていた。
園内で州が変わる |
先を行く人の中には首にタオルをかけて、入泉する気満々の人もいたりして、ちょっと笑えた。
10分ほど進むと、川に“高温注意”の看板が出てきて温泉が近いことを物語っている。
川に手を入れてみると、まだ冷たい。
温泉はまだか。
さらに先に進むと、人が集まっている場所が見えた。
そこに辿り着くと、どうやらここが温泉であることは確かなようだったが川へと下りる桟橋は封鎖されていた。
今の時期は川の流れが急で流される危険があるためだそうだ。
周りの人もどうしようかとためらっている。
ここで切り込み隊長の明石さんが先陣を切って入浴。
もうすでに入口のロープを越えてしまったので、ここまできて入らないでどうする!!
僕も続けて温泉に足を入れる。
ちょっと熱い。45~46度といったところか。
肩までつかるにはしんどそうだったので、川を歩いて適温ポイントを探す。
さすがに川は流れが急で足を滑らせたら危険そうな箇所がいくつかあった。
少し下流にいったところ、源泉が小さな滝になって流れ落ちているところにベストスポットはあった。
かなりよい湯加減。
源泉と川が合流しているだけというワイルド感もさることながら、なんといってもこの大自然の中で露天風呂というシチュエーションがたまらない。
僕と明石さんが興奮している様子をみて、傍観していたスティーブも意を決して入ってきた。
このスティーブというのも、おもしろいやつで徹底的に紫外線を嫌う。
自転車旅をしておいて日焼けを嫌うって言うのも変な話だが、その徹底度がすごい。
まず頭は首まで日除けが付いた帽子にサングラス、体はどんなに熱くても長袖シャツ。もちろん日除けに最適な白系の色目。手首にもバンドを巻いて、手はフルフィンガーのグローブ。そして腰にはベアスプレーを常に携帯している。
スティーブよ、いったい何をそんなに恐れているんだい。
因みにそのいでたちは、公園のレンジャーそっくりでたまに他の人にレンジャーに間違われていた。
さらにすごいのが彼の食事はナッツのみ。
いつも馬鹿でかいナッツのボトルを持ち歩いていた。
彼曰く、ナッツが一番エネルギー効率が良いからだそうだ。
そうはいっても飽きるでしょう…
と紹介が長くなったが、そのスティーブの素肌を見れたのは後にも先にもこの温泉が最後だった。
それでも靴下は履いたままだったが…
貴重な一枚 |
一時間ほど温泉を満喫したあと、帰りのトレイルの途中で崖の上から拡声器で声が聞こえてきた。
『こちらレンジャー、そこは侵入禁止だ』
まずい、レンジャーに見つかってしまったようだ。
が、もう温泉には入ったので一先ず目的は果たした。
怒られるときは、素直に謝ろう。
繰り返しレンジャーは注意をしている。
が、その声はむなしく、次々と温泉を目指してくる観光客がやってきた。
そんな彼らが、僕らに尋ねる。
『温泉には入れた??』
「最高だったよ!!」
トレイルの入口に戻ると、ちょうどさっきまで拡声器で注意していたレンジャーが業を煮やして直接注意しにやってきた。
かなりの形相だ。
僕らも、まずい怒られるなぁと 思っていたら、僕らを素通りして奥へと進んでいった。
注意に従って引き返してきたと思われたのか、はたまたスティーブをレンジャーと思ったのか…
あのあと温泉に向かった人たち、ごめんなさい…
温泉はキャンプ場からそれほど距離はないのだけれど、急坂を下ったところにあるので帰り道で汗だくになってしまった。
自転車で訪れた際は、キャンプ場に行く前にこちらで汗を流してから行きましょう。キャンプ場にシャワーはありません。
そして封鎖されているのに突入するかしないかは自己責任で判断してください。
今回お咎めなしだったのはラッキーでした。
本当に急な流れのときや天気が崩れているときは無理をしないように。僕らも川の流れはきちんと確かめてから入りました。
いい顔してるねぇ
返信削除最高のショットです。