2012年9月15日土曜日

アンデス越え初日

さぁ、いよいよアンデス越えに挑む日。

まずはここナスカから150km先のプキオを目指す。
最初の100kmはひたすら上り坂が続き、標高700mから4300mのコンドル峠まで一気にのぼる。
まるで想像のつかない未知の領域。
そうは言っても、ロッキー山脈やメキシコの西シエラマドレ、南米に入ってからもずっとアンデスに揉まれてきた。
登ってやれないことはない。
これまでの走行の経験が多少なりともタフな自分へと変えてくれていた。

初日はまぁ50km走れればいいかなと、ゆっくり9時過ぎに出発。
街の外にはさっそく山塊が。
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あからさま過ぎる変化。
まぁ慌てることはない。ゆっくりでも進んでいけばいつかは越えれるはずだから。
右手に世界最大の砂丘、セロ・ブランコを眺めながら進む。
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道中、日差しがきつく、東向きに進む道は午前中はもろに太陽光を浴びる。
なので、みっともないがこんな姿で走る。
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完全防備の顔面。
うでや足は割と皮膚が強いのだが、鼻と唇はどうにも紫外線に弱いのでこんなかっこうで走る。

11時頃、早めの昼食をとろうと、道端で休憩。
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前日に仕込んでおいたおにぎりを頬張っていると、どこからともなく“ブーン”という羽音。
なぜかこんなところに蜂がいた。
ホンジュラスで大量の蜂に襲われ、10数カ所刺された悪夢が蘇る。
これはまずいと、昼飯を中断し、先へ進み、そこで改めて昼食にしようとするもまたもや蜂。。
結局、ろくに休憩も出来ないままだった。

道はぐねぐねと折り返しを繰り返し、わずかにだけれど確実に標高を上げる。
振り向くととても一本道とは思えない幾筋の轍が見えた。
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前方に見える峠を目指して一踏み一踏みペダルを回す。
その峠も頂上にさしかかる!と思った頃、新たな峠が前方に現れる。
ずっとこんな繰り返しで、気が遠くなりそうになりながらも1kmごとに丁寧に設置されたキロポストをカウントしていくのが楽しみだった。

沿岸部ではあんなにうるさかったドライバーも、かなりまろやかになった。
しっかりと距離をあけて追い越してくれるし、クラクションの鳴らし方も優しい。
きっとこの道の険しさを知っているからだろう。

窓からミカンの差し入れをもらったり。
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標高2000mを越えるあたりになると、あたりが急に見通しの効くようになった。
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気がつけば、当初見上げていたセロブランコと同じ目線の高さに。
足元には越えてきた轍が確かにあった。
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40kmもそこそこ過ぎた辺りで小さな集落が。
しかし、そこはほとんど人の気配もなく、看板の掲げてあった商店はやっていなかった。
昼を蜂に台無しにされて依頼、まともに休憩していなかったので、一息つきたいところだが、これではどうしようもなかった。

そこから2kmほどいったところにぽつんとレストランが。
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ここはなんとかやっていたのでコーラを購入。
ぐびぐびと飲み干し。ラストスパート。

日も暮れかけた5時過ぎにいくつかレストランの集う集落のビジャタンボに到着。
軒先でテントを張らせてもらうよう頼むと、ありがたいことに“夜は寒いから”と
店内にテントを張らせてもらった。
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このレストラン、だいぶ人気のあるお店のようで夜もひっきりなしにお客さんがやってきた。
店の片隅に張ってあるテントに気に留める様子もなく。
テントから顔を出す僕に『やぁ、クスコまでかい?』とあっさり。
これまでも多くの自転車乗りがここで夜を明かしているのだろうか?

夜、レストランの店主が言ったとおり外は驚くほど冷え込んだ。
屋根の下で過ごせる安心感は、あっとうまに僕を眠りへと誘った。

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