2012年9月19日水曜日

坂の向こうがわ プキオ到着

昨夜灯した蝋燭はいつの間にか燃え尽き、窓から差し込む朝日で目が醒めた。
外は昨日に引き続き快晴。

宿の職員に礼を行って出発。
昨日の時点で80kmとちょっと。
あとちょっとで最初の登りは終わるはずだ。
s-DSC07732
s-DSC07734
s-DSC07749
じりじりと標高をあげ、再び4000mの世界へと帰って来た。
右手に分岐路が見えた辺りが最高点4300mのコンドル峠だった。
s-DSC07751
下りきた!!
待ちに待った標識。
s-DSC07736
s-DSC07753
峠の向こうは、大きなカーブを描き、カーブをさらに行くと谷に沿って下っていく道となった。
s-DSC07741
3日ぶりの下りはグングンと自転車を加速させ、久しぶりに時速10kmを越えるスピードで走ったものだから
わずか30kmや40kmでも多少の恐怖感を感じるほど。

足元に大きめの集落が見えた。
s-DSC07746
この集落を越えて少し行くと川が。
ボーナスステージ終了のお知らせである。

あのてっぺんの向こうからやってきました。
s-DSC07747
川を挟んで向かいの山に移った後はまたじわりじわりと登って行く。
長い橋をかけちゃえば数kmですむようなところを登り降り含めて20km以上掛けて。
たぶん、海外の山道で橋を作れよーとか、トンネル掘って~と思う人は日本人くらいなものかもしれない。
それほど、海外で橋やトンネルというのは見かけない。
ひたすら地形に沿って道を作るだけだ。
s-DSC07757
再び上がってきた谷の上からサンファンの街が見える。
s-DSC07752
手前にあった分岐から200m~300m程下っている。
さらに驚いたことが、その向こうにも地図にはない集落が点々と見えた。
思い切り切れ込んだ谷間の街。
そこに集落が出来るのはやはり川(水)が近いからだろうか。
s-DSC07756
幾度かアップダウンを繰り返した後、ついに目標の街の姿を捉えた。
s-DSC07760
プ・キ・オ~!!!
プキオの街は想像していたよりもはるかに大きく、足元の盆地に広がっていた。
ここからはもうウイニングラン。
重力に任せて下るだけだった。
向こう続く道はまた登りになているけど、今はこの下り坂を堪能しよう。

遠目にみた通り、街は山間の中継都市といった感じ。
s-DSC07763
s-DSC07766
メインストリートには毛織物の土産物や八百屋、肉屋とがひしめき合っていてなかなかの賑わいだった。
ホテルをいくつか見て回り、結局街で一番高いアルマス広場に面したホテルに投宿。
40ソルと値段は張ったけれど、全面ガラス張りの窓からは広場が見下ろせた。
s-DSC07768
夕暮れ時、小さなレストランで晩飯を食べた。
店内はまぁまぁ混んでいたけれど、空いたテーブルもいくつかあった。
チキン定食を注文して、料理を待っていると一人のおっさんが入店し、なぜか僕の席に座った。
ん?と思った。
チャーハンを頼んだ彼。しばらくすると僕の注文より先にチャーハンが運ばれてきた。
すさまじいボリュームのチャーハンをフォークを使い、モフモフと食べるおっさん。
だんだんと食うスピードが緩み始め、“さすがにお腹いっぱいかな?”と思っていると
おっさんの瞼が閉じ、こうべが垂れ始めた。
ウト、ウトとし始め、しまいにはチャーハンの山に顔を埋めて眠りこけてしまった。

もしかしたらおっさん、疲れと腹の減りで入店した時から僕がこの席にいることが目に入っていなかったのかもしれない。
そういえば一度も目が合わなかった。

どんな気持ちでここにたどり着き、チャーハンに埋もれて彼はいったいどんな夢を見ているのか。
こんなに疲れ果てた人は初めて見た。

0 件のコメント:

コメントを投稿