南米一、あるいは世界一とも呼ばれる悪路がこのボリビア南部に存在する。
その道を知ったのはいつ頃だったろう。
記憶が曖昧だが、ペルーに入った辺りから今後のルートを検討するにあたって、はっきりとその道を認識しだした。
ボリビア南部ウユニの街から南西に430~460kmほど。
エドゥアルド・アバロア国立保護区からチリのサンペドロ・デ・アタカマへ抜けるこのルートは、
赤や緑色に染まる湖、湖に群がるピンクのフラミンゴ、周囲に点在する火山や雪山…
多くの色彩に囲まれた様子を称して『宝石の道』と呼ばれている。
とんでもんなくキツイが、その苦労を上回る景色が待っている。
らしい。
昔の自分であったら、もっと楽な舗装路のなるべくフラットな道を選んでいただろうが、
コロンビア、エクアドル、ペルー、ボリビアとおよそ半年に渡ってアンデスに挑み続けているうちに
僕の心と体は、よりアンデスを欲するようになった。
この道を走りたい。
そう思ってラパスにいる頃から少しづつ準備と情報を集め、ここウユニで最後の準備を整えた。
この宝石の道は大きく分けて2ルート。
150kmほど先のアロタの村から南に向かう奇岩が見れるルートと、そのまま西進し湖の点在するコースを通るルート。
どちらも保護区に入ってすぐのコロラド湖で合流する。
どっちが楽とかはない全線コルゲーションダートのハードなコース。
僕は、コロラド湖北にあるArbol de piedoraと呼ばれる風雨によって根本を削られながらも立っているバランスロックが見たかったので後者のルートをチョイスすることに。
では、行ってみますか。
ウユニの中心から500mもたたないうちに、道は砂の深いダートへ。
いきなり走りづらい。
こんなで走りきれるのかよと不安がよぎったが、すぐに未舗装ながら綺麗に踏み固められた走りやすい道に変わった。
アスファルトと遜色ないくらいに走れる。
時折、コルゲーションや砂の堆積した場所があったが問題なし。
右手にウユニ塩湖の末端のような白い平原を見ながら走った。
傾斜もほぼ緩やかであっという間に90km先のサン・クリストバルに到着した。
サンクリストバルは、もともとここより北西17km程のところにあったそうだが
近年鉱山が発見されて1998年に現在の位置に移ってきた新しい街。
日干し煉瓦の多いボリビアの街にあって、コンクリートで建てられた新し目の街は
中心に日本のお城のような形をしたセントロがあって可愛い街だった。
コロンビアのヤルマル、エクアドルのカタコチャ、ペルーのカハマルカへ行く途中の湖畔の街(名前ど忘れ)
ガイドブックに決して載らないお気に入りの小さな街々を訪れてきたが
ここボリビアでもお気に入りを見つけることができた。
安宿が営業していなく、セントロにあった140Bの宿を100B にしてもらい投宿。
これからハードな道を行くための、最後の贅沢をして明日に備えた。
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