2012年11月2日金曜日

6000mへの挑戦 1日目~2日目

ワイナポトシ登山当日は9時に旅行会社集合。
2泊の行程なので時間には余裕がある。
事務所の奥にある部屋で、事前にサイズを合わせた装備を受け取る。
一応、登山に必要な装備は一式レンタルできるが、僕は靴、アイゼン、ピッケル、ハーネス、オーバーパンツをレンタル。
他は自分のものを使うことに。
装備をザックに詰め込み、車に乗り込んだ。

今回は僕ら3人に加え、フランス人のフリアン(英語読ジュリアン)とガイドのテオとセバスチャンの6人。
ガイドの2人はともかく、フリアンが…

頼りなさげだった。。。

もう初見でそれが伝わってくるほど。
身長は僕よりも高く180cmくらいはありそうだったが、とにかく線が細い。
2年をかけた世界一周の途中には日本にも寄ったそうだが、出てきた話はアニメの話。。。
なんとなく僕のイメージする典型的な(?)オタク系フランス人といった印象だ。

オマエ、まじで登んのかよ…

実はこのワイナポトシ登山ではパーティの一人が高山病などで行動不可能になった場合、
全員で下山ということが基本ルールになる。
よってもし、フリアンと組んでフリアンが登れないとなったら、必然的に僕の登山もそこで終了になる。

フリアンには悪いが、僕はフリアンとだけは組みたくない!と思ってしまった。
それほどに貧相なのである。

さて、僕らを乗せた車は昨日チャカルタヤへ行った同じ道を進み、途中の分岐で別な道に入った。
この辺も鉱物が溶け出した赤い湖があったりワイナポトシの山容が見事で、ここを見るだけでもかなり満足。
アニメオタクでありカメラオタクのフリアンも身を乗り出してバシバシ撮っている。
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しばらく走って本日の目的地の山小屋へ到着。
かなり綺麗に作りのこの山小屋で昼食。
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その後、1時間ほどかけてワイナポトシの氷河末端部分まで歩いてそこでアイゼンワークの練習をした。
s-DSC08616乾季のこの時期は日中に氷が溶けて、夜間の冷え込みで溶けた氷が再び凍るので表面はかなり食いつきの悪いアイスバーンだった。
強めにステップを踏まないとなかなかアイゼンが食いつかない。
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しばらく練習した後、オマケで切り立った氷壁をアイスクライミングで登った。
ガイドのテオが氷壁の上に確保用のハーケンを打ちに登っていったのだが、さすがガイド、サクサク登って行く。
テオがビレイヤーになってくれていざ僕の番。
テオのようにサクサクと…
いかなかった。
やはり氷が固く凍りついてピッケルが刺さりにくい。
思い切り打ち込まないと弾き返されてしまう。
それでもなんとか登り切る。

その後、順にサヌキくんモトミくんと消化し最後にフリアン。
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歩行訓練のときも練習そっちのけで写真に夢中になってたけど、大丈夫かな…

全然だいじょうぶじゃなかった。
何度打ち込んでも弾き返されるピッケル。キックの力も弱いからアイゼンも刺さらない。
僕らもアドバイスを送るが、結局登りきれず…
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本番はここまでの難所はないみたいだけど、やっぱり不安は募るな。。。

その日は山小屋に戻り、夕飯。
と、ここでテオからオプションがあるんだがと提案があった。
聞いてみると、この後仮眠して12時から一気に山頂アタックすることも出来るぞ、と。
ん?
んんー?
それって一泊二日コースの内容だよね?
それに今日は明日行く予定の山小屋より下の山小屋にいるから余計にきついよね?
ってゆーか、二泊分で多くお金払ってんですけど。。。

まぁ、考えれば簡単なこと。
さっさと仕事を終わらせたかったんだろう。
テオはあまり話すほうじゃないが気が利くしいいやつだ。
でも、こうゆうとこでちょっとボリビア人のずるい一面がでちゃったのかな。

テオからの提案は満場一致で却下。
当たり前にね。

それで翌日は予定通りに昼前まで今の山小屋で過ごし、早めの昼食をとった後
300m上の山小屋を目指した。
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昨日、氷河末端に行くときも見かけたミルキーな湖を経由して標高をあげる。
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岩稜帯に足場が変わった辺りで入山料を支払う。
そこからは足場がかなり不安定で、ところどころ残雪の残る道を慎重に登った。
そうして山小屋を出て1時間30分。
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第2の山小屋に到着。
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この時点で標高5100m。
ここから先は完全な雪山になる。
小屋の中は、いったいどこに隠れていたのか、大勢の登山者で賑わっていた。
壁にはこれまでここに挑戦した人たちのメッセージが無数に書き残されている。
日本人の名前もちらほら見かけた。

外は轟々と風が強く吹く中、他の登山者たちと今までの登った山の話や明日の健闘をお互いに祈りつつ
早めの6時には寝袋に潜り込んだ。
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ところで、、、
ラパスのアウトドアショップでREUSEABLEなるHOT WARMERを発見し
60ボリ約650円とそれなりにしたが購入していた。
何度も使えるのなら、この先のウユニでも役立つだろうと思ったからだ。

山小屋でも相当冷え込んだので
これはあのホットウォーマーの出番だと思ってカバンから取り出し
パッケージ裏の説明書きを読んだ。

なになに…

袋から出して5分後に暖かくなります。
使わなくなったら、袋に入れてください。

ふむふむ。

効果は20時間です。

うむ、分かった。
で、どうやったらまた使えるようになるんだ??

何故か、その記載はなかった。

なんでだろうと思いつつ袋を開けると、その中身は
ただのカイロだった。

これで全てに合点がいった。
袋から出せば酸化が始まって暖かくなるし、
袋にしまって密閉すれば酸化を抑えることが出来るということだ。
で、酸化しきっちゃえばもう使えない。

REUSEABLEであってRECHARGEABLEではないということ。
要はただのジップロック付きカイロで60ボリって…やられた。。

そう思いながらまぁ20時間持つならこのまま明日の下山まで持つし、
もうここで使い切っちゃおうと寝袋にいれて暖かくなるのをまったが
650円もした高級カイロは、全く暖かくならないのであった。

久々に無駄な買い物だった。

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