リオバンバにてアンデスの廊下は終了し、ここからは本格的な山岳地帯に突入する。
天気は快晴。本日の目的地は100km先のアラウシ。
いざ出発。
リオバンバはアラウシの先に続く“悪魔の鼻”への観光列車の出発駅。
この列車は世界でも珍しく屋根に乗って絶景を楽しめる列車として人気を集めているそうだ。
(数年前、日本人旅行者が屋根から転落して死亡した事故があったそうで
現在は“非公式”に屋根に上ることが認められている)
エクアドルカラーの若葉がいいかんじ。
アラウシまでは線路と一緒に進みます。
ところで山岳地帯に入ったら、前々回で呪うように書いた車の運転が優しくなった。
もちろん、ひどい車もたまにはいるが、大きく変わった。
これは経験がある。
メキシコでオアハカの山岳地帯に入った時も同じだった。
さすがに山道は車も飛ばせないし、そんな山道をのろのろ自転車で走ってるわけだから
同情を買ってるのかな?
リオバンバから一山越えると見晴らしのいい高原地帯に出た。
雲は多いけど、日曜の午前中にふさわしい朝日でとても気持ちいい。
とゆうかアンデスの廊下走ってる時よりも気持ちいいじゃん。
旅行をしていると、とかく何か“唯一無二のもの”だとか“World is mine”なものを求めがちになってしまうが
こういう人の営みが見える普通の景色だって、僕の心を揺り動かすには十分な美しさに思う。
そしてこんな景色に出会えるの自転車を選んでよかったと改めて思った。
少し行くと小さな街に着いた。
日曜市が開かれているらしく、大勢の人で賑わっていた。
この辺りになると、インディヘナの民族衣装が少し派手になった。
街の出口付近に差し掛かると何やら人だかりが。
どうやらここでも市が開かれていて、よく見たらここは動物市の会場だった。
羊、馬、豚とたくさんの家畜が出品されている。
嬉々として豚をお持ち帰りするインディヘナ。
ポケモンゲットだぜ!
ところでここで売り買いされる家畜たち。
よく見るとどの動物たちも連れて行かれるのを必死に抵抗している。
動物の本能が自分の死期を悟らせるのだろうか。
ドナドナの哀愁とは無縁の世界。
死期が近いとしても、必死に抵抗し生きようとする動物たちの生への執念がそこにはあった。
会場の外は再び穏やかな世界。
ゆるい坂道をゆっくり上る。
急ぐのはもったいない。
やがてグアモテの村へ到着。
さっきの街とは違って、こちらは哀愁ただよう物悲しい街だった。
ここはかつては鉄道の中継駅として栄えた街だったが、今やその鉄道はモータリゼーションの登場で役目を終え
観光列車のみが運行するのみである。
ここで昼ご飯にしようと思ったが日曜日ということもあって、目ぼしいレストランが見当たらなかった。
仕方なく、幹線沿いのガソリンスタンドでコーラを買って、あとはラーメンを作ることにした。
自転車を止めると、物売りの子供たちがやってきた。
『どこから来たの?』
「日本だよ」
『まじ?すげぇ!』
みたいなかんじで一躍ヒーローに。
ただ腹が減った。
子供たちから離れたところに移動し、ガソリンストーブを取り出し調理開始。
するとまた子供たちが群がってきて、その様子をじっと見つめる。
食べづらい…
自分一人食べるのも気が引けてきたので子供たちにゼリーをあげた。
その後も質問攻め。
僕が答える度に、子供たちは目を大きくして驚く。
おれ、大人気じゃんなんて思っているとバスがガソリンスタンドにやってくる。
すると彼ら僕をほっぽり出して、バスにお菓子を売りに行く。
あれっ、僕ってもしかしてただの暇つぶし…?
そんなグアモテ村を抜けると開けた牧草地に出た。
午前中の高原もよかったけど、こっちもいいな。
なんて思ってると雲に捕まる。
だいたいこの辺りは午後になると雲が出てくる模様。
それでもすぐアラウシに向けての下りだったので再び雲を蹴散らす走りでラストスパート。
下りのつづら折れにはたくさんのハートマークが。
これ、スピード出し過ぎ注意とか命大事にな意味かと思ってたんだけど
この辺はハートマークの近くに決まってお墓が…
アラウシ着!!
メイン通りの8$の宿にチェックイン。
安い割にネットも使えて快適だった。
熱いシャワーを浴びて街の散歩へ。
ストリートのどん詰まりには駅舎があってちょうど列車が通りがかった。
この街もグアモテのようにかつては鉄道バブルで盛り上がったようだ。
I ♡ NY的な。
明日からは更に険しい山岳地帯になるようだ。
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