2012年10月24日水曜日

気分転換

ラパスに行けば何かが変わる。
ずっとそう思って走ってきた。

実のところ、クスコ以降自転車に乗ることへのテンションがいまいちあがりきらないままだった。
というのも、ナスカ~クスコのアンデス越えを達成してしまった一種の燃え尽き症候群なのか
温泉やチチカカ湖などポイントポイントでは、おぉっとうなる場面もあったが
全体としては自転車に乗っているのが長く感じられ、ぼぉっとした一日が続いていた。

だからボリビアの首都ラパスに行けば、何か刺激や変化のあるものに出会えるんじゃないかと思っていた。
ラパスには南米一ウマイとも言われる日本食もあるし、世界一高いところにある首都(憲法上の首都はスクレ)は
アンデス登山のメッカでもある。
前々からラパス近郊にある6000mを越えるワイナポトシ山に挑戦しようと思っていた。
気だるい走行が続いたことで、ここは気分転換が必要だということで
ラパスを目前にし、僕は何が何でもラパスでは登山をしようと決めていた。

湖沿いのホテルを出て一路ラパスを目指す。
やはり、ボリビア、地図に載っている集落もアテに出来ないほどしょぼい。
ストアもないような集落では休憩をする意欲も削がれる。
だから、そこで立ち止まることなく過ぎ去ってしまうことが多い。
そうなると人とのコミュニケーションの機会も当然減るので余計自転車を漕ぐストレスが増えてしまう。
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そうしたこともあってラパス入り当日はかなり精神的に辛い一日だった。
唯一の救いはアルティプラーノの高原の向こうに見えるレアル山脈群。
あの山の頂上から、今度は今いるチチカカ湖を見下ろすんだと思いながらひた走った。
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なんとか、ラパスに隣接するエル・アルト市に到着。
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この辺はかなり治安が悪いことで有名。
なんでも窪地にあるラパスでは標高の低いところほど裕福な人が住み、高い所に貧しい人がすむのだとか。
若干、荒んだ空気を感じるものの即座に危ない気配はない。
さっさと抜ければ問題無いだろう。

それにしてもこのあたりは本当に排気ガスが凄かった。
記憶が正しければ、中南米で一番ひどい。

そして凄まじいコレクティーボの数。
南米最貧国ボリビアでは一般市民は車が買えないのか走っている車はコレクティーボばかり。
その中に一分富裕層と見られるそれなりに立派な車が走っている。

そしてコレクティーボの乗り場が固まっているため一部で渋滞、渋滞を抜けると広い道路、再びすごいコレクティーボ渋滞と
天国と地獄を交互に繰り返した。
ようやくラパスへと降りるゲバラ像のところまでやってきた。
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ゲバラ像の先にある料金所を抜けるといきなりラパス市街が足元に現れる。
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なんつう密度。
10数km前とは世界が変わった。

しかし、ラパスを見下ろすこの場所に来ても僕のテンションは上がり切らないままだ。
すこし疲れているのかもしれない。

けれど、ラパスに行けば何かが変わる。
そう思ってずっと走ってきた。

ここには変わる何かがあるはずだ、と
願いに近い期待を込めて街へと下りる高速道を
僕は駆け足で下っていった。

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