そうそうこれだよ、こーゆうの!
そんな言葉が思わず口に出てしまういい道はいつも突然現れる。
6日間続いた高速生活にお別れをし、テムコという街で2泊した。
そのテムコの先から下道に入った。
下道といっても交通車線が少なくなっただけで以前として交通量は多い。
路肩がない分危険度は上がったかも。
この頃になるとそこそこの傾斜のアップダウンが多く出現するようになってきた。
割と周りが平地に見えるようなとこにも関わらず。
チリは道路作りが上手くないという話を聞いたことがあった。
コペックライフを送っていたときは、特にそんなことを感じることもなかったのだが、
ここにきてその話を思い出さずにはいられない上り下りが続く。
大地の傾斜に忠実に沿って、ただアスファルトを張りました然な道路は自転車に優しくない。
けれど、これまでの道がずっと退屈だっただけに、このアップダウンは僕にとって新鮮でいくらか楽しめて走れていたと思う。
背の高い林の中の長めの下り坂、その先で道は右に大きくカーブした。
ここで森がひらけた場所に出て、突然視線の先にビジャリカ山が飛び込んできた。
うぉぉ!っと思わず声があがる。
ビジャリカ山は湖水地方と呼ばれるこのあたりのシンボル的な存在で、
富士山にも似た雪を抱えた綺麗な円錐形の山容がかっこいい。
道はほとんどいつも正面にビジャリカ山を目がけて延びている。
その間、僕のテンションは上がりっぱなしで早くあの山に近づきたいという一心で自転車を漕いだ。
プコンの街ではこの火山への登山ツアーもあると聞いていた。
今朝まで、プコンに着いたらまずはのんびりしようと思っていたのに、
この頃にはもう早くこの山に登りたい!と気持ちが高揚していた。
程なくして、ビジャリカの街に到着。
街の規模はプコンよりこちらのほうが大きい。
ビジャリカ湖から望むビジャリカ山が絵になる。
ちなみにビジャリカは村の意味のVILLAと豊富を意味するRICAとを合わせた言葉だと思うのだが
うんうん、まさにその通りと納得する景色の映えだった。
ここからプコンまでは30kmもないほどの距離。
湖岸沿いを走る道路はいよいよアップダウンがきつくなってきたのだが、
火山を見ながら走っているとあっという間にプコンへと到着してしまった。
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