2013年3月7日木曜日

この土地と生きる家

カンポに向かう前日のこと。

この村に移り住んでいるポール・コールマン氏のお家におじゃまさせていただいた。
世界中を渡り歩いたポール氏は現在このラフンタに家を建て暮らしている。

自らセルフビルドで建てたというこの家は、アースバッグハウスという手法で建てた家。
アースバッグとは簡単に言うと土のう袋でそれを何百と積み上げて家を構築するそう。
小さなものなら、柱や梁もいらず、素人でもチャレンジしやすい建築で冬暖かく、夏は涼しい。
もともとイランの建築家が戦争や災害で家をなくした人たちが簡単に家を作れるようにと考案された方法だそうだ。
(今回はじめて知ったもので勉強不足でしたらすみません)

なによりその土地の土を使えるのがいいそうだ。
土を起こした土地はそのまま自分たちの畑になる。

ポール氏はさらに雨がちで寒いこの地域に建てるアースバッグハウスを自分流にアレンジしている。
アースバッグの土壁の間に発泡スチロールをはさみ、さらにアースバッグで覆うことで断熱効果を上げる。
ラフンタを見下ろす小高い丘にデデンと設けられた大きな窓は単に眺望だけでなく、実はきちんと太陽の向きを考えてあって、晴れた日であれば暖炉をたくことなく室内は20℃以上を保つのだそう。

『おかげで眩しくて仕事にならないときもあってねー』
と話すのは奥さんの木乃実さん。

英語が苦手な僕のためにポール氏の言葉を訳して説明してくれた。

雨水の通り道もしっかり考えてあって、家に流れ落ちた雨は最終的に池に貯まるようになっている。
もちろん周囲の畑はこの家をたてるときに耕されたもの。
おもむろにプチッと近くのイチゴをとってポール氏が僕に食べさせてくれた。

色んな仕掛けがさながら忍者屋敷だ。
掛け軸の裏に秘密の回転扉、なんてものはないけれど、
自然エネルギーをうまく取り入れると、環境に対する人の負荷も出来るだけ最小に抑えることができる。
なにより、そのままのパッケージをこの土地に降ろすのではなく、
この土地流にアレンジを加えているポール氏の向き合い方が素敵だと思った。

聞くと宏一さんたちも明日向かうカンポで同じ手法で家をたてる計画だそう。
宏一さんのお家は、どんな風にこの土地に溶け込んだ姿になるのかな。

まだ行ってもいないのに楽しみになってきた。

※話を聞くのに、写真を撮ったりしたら失礼かなと思い、写真を撮っていません。
いま思うと後悔しています。
アースバッグハウスで検索するとたくさん画像出来てきます。
ご興味のある方はぜひ。
そして、ちゃんと予備知識を持って行けば色々質問できたのに…と反省です。

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