バルサスの街では結局2泊。
山の中の田舎町らしいのどかな雰囲気と、前夜から朝方まで降り続いた雨のため延泊した。
ちょうどこの日は僕の誕生日だったし、会社にいた頃は一度も使ったことがなかったバースデー休暇と行きましょう。
あ、みなさん誕生日メッセージありがとうございます。
予想外にたくさんのお祝いの言葉をもらえて年甲斐もなく感激しました。
28歳、そろそろ無茶なことは卒業して歳相応の落ち着いた旅人を目指します 笑
さて、バルサスの街での誕生日を一日ゆっくり過ごした翌日、つぎの街へ向けて出発した。
今日は80km先のパンアメリカンハイウェーに合流してさらに20km先のカタコチャまで。
山道の100kmなので気合をいれて出発。
一度900m付近まで上った後、600mまで下り再び2000mまで登るハードなコース。
一つ目峠を越えて、谷底に下りた時にはもう既に太陽が燦々と照りつけていて背中を射した。
今日中に100km走れるかどうか、やや不安がよぎったが思いの外、そこからの道は舗装もよく無駄なアップダウンもほとんどない走りやすい道路だった。
おかげで午前中で約半分48km地点の村までたどり着き昼食。
登り坂の基本はしっかり食べておくことだ。
単純なことだけれど、食うと食わないでは本当に踏み込みに差が出る。
目一杯、昼飯を胃袋に詰め込み再度出発。
相変わらず道は綺麗に谷沿いの道を巻いて登っていった。
なんだよ、エクアドルやれば出来るじゃん。
そう思いながら登り続けること、ちょうど今日の獲得標高が2000mを超えた頃前方にパン・アメリカン・ハイウェイを示す標識が現れた。
やった、ここからはもう楽勝だ!
そう思った矢先、標識の示す道路は何故か砂利の敷き詰められた未舗装の道だった。
???
すぐ先にも分岐があったのでそこまで行ってみるもやはり砂利道。
近くの商店にいたおじさんに、道を尋ねるもこの道がパンアメリカンだという。
この辺りは工事中かなんかかなと思いつつその砂利道に進んだ。
進んでみたものの、工事をしている形跡はなく、すぐにこの未舗装の道はこの区間だけじゃなく、
この先ずっと続くことに気付いた。
砂利はかなり盛られて敷かれていて、ペダルを漕ぐとタイヤが足を取られてしまい進まない。
しばらく走ると深い砂利道は終わったのだが、ひどい悪路は続いた。
通りゆく車もガタガタの道の少しでも良い道を通ろうとするため、対向車もこちら側の車も同じ轍を通る。
僕もその轍が一番走りやすいため、それを辿って走るが、そうすると自然に道路の真中に押し出されてしまう。
これじゃあ危ないと路肩に戻ろうとするも、路肩は車に弾かれた砂利の溜まり場になっていて、とても自転車を漕げる状態ではなかった。
たまに舗装路が復活するも、ボコボコに穴が空いておりまだ未舗装の方が走りやすいと思えるほど。
せっかくスムースに上りを終えれたのにパンアメリカンに合流してからが大変だった。
これ、本当にエクアドルの主要幹線ですよね…?
そんなこんなで走ること20km。
日暮れ前になんとかカタコチャに滑り込んだ。
セントロ近くにとったホテル、800円とお手頃な上に恐ろしく綺麗な部屋だった。
まさに苦あれば楽あり。
思えばエクアドルのホテル、スクレはともかくとして外したことがなかった。
どこの街のホテルも10$前後で泊まれて、綺麗でネットも使えた。
それに石鹸だけじゃなく、シャンプーまでついてくるホテルも多かった。
まぁ、シャワーでコールドを回すとお湯が出てくるのがエクアドルクオリティなんだけど。
ささっとシャワーを浴びて、夕飯と明日の食料を買いに表へ出る。
今週は街のお祭りのようで、どこも店じまいが早く、皆セントロにある教会へと集まっていた。
街をぶらついていると、すれ違うおばさんから、こんばんわと声が掛かる。
こんな観光客が訪れるはずもない田舎町で、こうした声がかかることは特にこのエクアドルではちょっと驚きだった。
商店に入って飲み物を買うと、お店のおばさんは“ボトルにホコリがついてるわね”と慌てて布巾を持ちだして僕の買ったペットボトルを拭いてくれた。
商店を出てすぐのところに、チキンの屋台が出ていた。
レストランもいつくかあったのだが、久しく屋台飯を食べていなかったのと、味はともかく今日はこの街の人達と肩を並べて少しでも同じ空気を感じたい気分だった。
かんじの良い老夫婦のやっている屋台でチキンを購入し、備え付けの椅子に座って爪楊枝で食べた。
すっかり標高もあがっていたので、夜になるとそれなりの寒さになる。
けれど、その寒さがどことなくこの街の居心地の良さを演出しているようだった。
食事を終え、ホテルに戻る道を歩いていると、霧が下りてきて街灯の明かりが柔らかく包まれていた。
こんにちはyujitoと申します。
返信削除コールドを回すとお湯が出てくるのがエクアドルクオリティなんだけど。
エクアドルはスペイン語の国ですが。
コールドではなくカリエンテ(熱い)の間違いではないでしょうか?
yujitoさん 確かに熱いはカリエンテですよね。ただこのホテルは『C』の頭文字ではなくて、『cold』の刻印が取手にされていました。もちろん、もう一方の取手には『hot』の文字がありました。
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